1 研究主題

確かな学力を身につけ、生き生きと学ぶ子どもの育成

〜算数科の学習を通して〜

2 研究主題設定の背景
 (1)社会の要請
   世界情勢の激動化,日本経済の低迷や構造改革の波など,21世紀に入って子ども達を   取り巻く社会状況はますます厳しくなってきている。
   こういった社会情勢の中,新学習指導要領では,変化の激しいこれからの社会を生きる   子ども達には,ますます「生きる力」の育成が重視されている。さらには,「生きるカ」を支え   る「確かな学力」,「豊かな心」,「健やかな体」の調和も求められる。
   また,学校過5日制とともに,教育内容を厳選し,ゆとりの中で子ども達を育てていこうと   する理念がある一方,学力低下を懸念する声が大きくなり,「確かな学力」の育成に当たっ   ては,基礎的・基本的な知織・技能の習得と思考力・判断力・表現力などのバランスも重視   されている。このような新学習指導要領の本格実施へとつなぐ時期だからこそ,本研究主   題を設定した。
(2)児童の姿
   本校では16年度より,子ども達の実態から,じっくり物事を考え,しっかり話を開き,順    序立てて書く力を身につけさせたいと考え,国語科を研究の中心に据え,説明的文章の    読み取りを通して,言語活動例を用いて「書く力」の育成をめざした。18年度までの3ケ年   で,順序よく書くために筋道を立てて考えるようになるなど,一定の成果を上げた。
   しかし,一方で,普段の学習する子ども達の姿や学力検査の結果などから,算数科の学   習に対するカの弱さを感じてきた。子ども達に「わかる」と実感させたいとの願いから,「確   かな学力を身につけ,生き生きと学ぶ子ども」をめざして,「学ぶ意欲や確かな学力を身に   つける学習方法」を研究することが必要だと考えた。
   昨年度の成果として,子ども達の実態調査(つまずきの要因)と既習事項(系統)の習熟   度などから全体の指導計画をたて,高学年では,特に苦手意識の強いわり算における筆   算の手順をスモールステップ化させることで,話し合いが焦点化され,学習内容を確実に    理解できるようになった。
   また,低学年では,身近な教材を用いることや個に応じた半具体物の準備,また,様々    な考えを記入するためのワークシートを準備することにより,自分なりの解決方法を見い    出すことができた。それらの交流を通して,考えの違いを知り,「わかる」「できる」と実感す   ることができた。
   以上のように課題を一人ひとりに理解させるための学習方法の工夫を通して,子ども達   は問題を解決しながら「わかる」「できる」を実感してきた。しかし,まだまだ,個人差が大き   い。
   そこで,今年度は,「算教科における表現力の工夫」や「学び合いのあり方」を意織した授  業作りを通して,自分の考えを表現し,確かな学力を身につけようとする子どもの育成に取   り組むこととした。                                
(3)重点教育目標との関連
   本校の重点教育目標である『しっかり学ぶ子』は,「学び続ける姿」として,学ぶ意欲をも   つて,学び方や思考力・判断力・表現力を身につけ,基礎・基本を着実に習得することをね   らいとしている。「どうしてだろう」「変だな」という疑問から生じる子ども達の主体的な学ぶ意  欲を引き出すとともに,問題解決的な学習を通して共に学ぶ楽しさや面白さのある授業を   追求したいと考えた。
   また「ともに学ぶ姿」として,一人ひとりの学びを交流し合うことで自分の考えをより深める   こともねらいとしている。子ども同士がかかわり合うことでともに学び合い,一人一人の意欲  的な学びが確かなものとなるのである。
   そこで,算数科の学習を中心として,意欲をもって学習し確かな学力を身につけさせるこ   とにより,さらに自分の学びを確かなものにしてほしいと願い,本研究主題を設定した。

3 研究主題設定の理由

 そこで、今年度は、社会の要請、児童の姿、重点教育目標から確かな学力を身につけるべく国語科で身につけた説明文で学んだことを用いて、順序立てて考える力を生かし、算数科でも 生き生きと学ぶ子をめざして、取り組んでいくこととした。さらに、算数科で基礎・基本の定着を図り、確かな学力を身につけさせていかなければならないという結論に至った。

研究内容

今年度の
研究実践


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