お客さまと店主の投票で選ぶ       
♪カフェ・ウォルフガング 名曲決定盤

クラシックの名曲の名盤・決定盤を、カフェ・ウォルフガングのお客様と店主の投票で選び、その演奏を皆さんで楽しみ ましょう。毎月2つの名曲を提案しますので、それぞれの曲について名演奏とおもう演奏(CDに限らず、放送やライブで聴いたものでもかまいません。1曲に ついて、ベスト3の演奏を投票してください。(ベスト1、ベスト2だけでもかまいません)1位には3点、2位には2点、3位には1点の点数をつけて投票し てください。毎月月末締め切りで集計して、翌月第1週の「水曜コンサート」で結果を発表し、第1位の演奏をご一緒に楽しみましょう。
 なお、投票は♪カフェ・ウォルフガングへご来店いただいたお客様に限らせていただきます。メールでの投票はまことに勝手ですがお断りいたします。

 

第40回(12月31日締め切り)投票結果

モーツァルト:ディヴェルティメント第17番ニ長調K.334

順位       演 奏(録音年、Lライブ、Mモノーラル)                   得点
      ウィーン八重奏団員(61)                      4
2位       カラヤン/ベルリン・フィル(87)                   3
2位   ヴェーグ/カメラータ・ザルツブルク(86)             3
4位   ベルリン・フィルハーモニー八重奏団員(68)           2
4位   ボスコフスキー/ウィーン・モーツァルト合(73)         2
4       ウィーン室内合奏団(91)                      2
7       パイヤール/パイヤール室内管(76)              1
 アントン・フィーツほかのメンバーによるウィーン八重奏団の91年の録音が1位です。古きよきウィーンの香りが最も出た演奏ですね。2位にはこの曲がお気に入りだったというカラヤンとはつらつとしたヴェーグの演奏が選ばれています。4位にはベルリン・フィル八重奏団のかっちりとした演奏と定評あるボスコフスキーとヘッツェルほかのウィーン室内合奏団とウィーン・フィルのコンサートマスターによるものが選ばれています。7位にパイヤールのフランス人の演奏が入っています。店主のイチオシは、ヴェーグの精緻なアンサンブルとはつらつとした演奏です。この演奏はあまり知られていませんが、かの吉田秀和氏も一番に押している名演奏です。

ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調Op.93

順位       演 奏(録音年、Lライブ、Mモノーラル)                   得点
1       イッセルシュテット/ウィーン・フィル(68)               8
2       カラヤン/ベルリン・フィル(62)                  3
2       アバド/ベルリン・フィル(00)                    3
4位   ワルター/コロンビア響(58)                    2
4位   バルビローリ/ハレ管(58)                     2
4       セル/クリーヴランド管(61)                    2
4位   
カラヤン/ベルリン・フィル(84)                  2点
8       モントゥ/ウィーン・フィルハ(60)                     1
8位   ブリュッヘン/18世紀オケ(89)                  1
 昔から定評のあるイッセルシュテットとウィーン・フィルの録音が1位です。ウィーン・フィルのベートーヴェン交響曲全集最初のステレオ録音となった演奏ですが、この8番が一番の演奏でしょうね。2位にはカラヤンとアバドがベルリン・フィルとやった演奏が選べれています。重厚なカラヤンとたたみこむようなテンポのアバド、対照的な演奏ですね。4位にはワルター、バルビローリ、セル、カラヤンといった往年の名指揮者の演奏が選ばれています。古楽器による演奏は8位のブリュッヘンだけです。店主のイチオシは、アバドのものとセルのアンサンブルが整っているとしている演奏です。

第49回(11月31日締め切り)投票結果

ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調Op.21

順位       演 奏(録音年、Lライブ、Mモノーラル)                   得点
1         ツィマーマン(P)/ポーランド祝祭管(99)               10
2         フランソワ(P)フレモー/モンテカルロ国立歌劇場管(65)         8点
3         ルービンシュタイン(P)オーマンディ/フィラデルフィア管(68)   5
4         アルゲリッチ(P)デュトワ/モントリオール響(98)           3
5         アルゲリッチ(P)ロストロポーヴィチ/ナショナル響(78)           2
6         アックス(P)マッケラス/エイジ・オブ・エンライトゥメント管(97)  1
 ツィマーマンが満を持してオーケストラを組織して自らか指揮も受け持って録音したものが1位です。テンポがすごく遅いのですが、「目からうろこ」の演奏ですね。この演奏は自ら指揮も受け持たないとできない演奏でしょう。同時に録音された第1番よりこちらのほうが出来がいいと思います・2・3位は往年の名盤フランソワとルービンシュタインが選ばれました。粋なフランソワ、安心して聴けるルービンシュタインというところです。4・5位はアルゲリッチの旧・新録音が選ばれています。それぞれしまったいい演奏ですが、バックの指揮が量上ともちょっと物足りないと思います。6位のアックスはあまり知られていませんが、ショパン時代のピアノを使った古楽器での演奏です。演奏事態は特に変わったところはありませんが、じっくりと聞かせる名演奏です。店主のイチオシもツィマーマンですが、アックスも好きです。

モーツァルト:交響曲第25番ト短調K.183

順位       演 奏(録音年、Lライブ、Mモノーラル)                   得点
1         ベーム/ベルリン・フィル(68)                    8
2         アバド/ベルリン・フィル(92)                    4
3         クレンペラー/フィルハーモニア管(56)                   3
3         ブリテン/イギリス室内管(71)                        3
3         ケルテス/ウィーン・フィル(72)                   3
3         ワルター/ウィーン・フィル(56LM)                        3
3         コープマン/アムステルダム・バロック管(80)                 3
8         ワルター/コロンビア響(54M)                        2
9         マッケラス/プラハ室内管(87)                  1
 ベームとベルリン・フィルの録音が1位です。50・60年代にベルリン・フィルとのベームの録音は、70年代のウィーン・フィルとのテンポの遅い(しまりのないいわゆる「ユルフン」)えんそうとちがって引き締まったリズムがすごくいいでね。2位のアバドはちょっと意外かもしれません。アバドのモーツァルトはどれももうちょっとというものが多いのですが、これはいいですよ。無駄がなくてさっぱりしていますが。3位はクレンペラー、ブリテン、ケルテス、ワルター、コープマンと5つが同点です。店主は昔、クレンペラーの時代がかった演奏が苦手でしたが最近は年をとったせいか、違和感なく聴けるようになりました。ワルターのちょっと激しい演奏もいいです。店主のイチオシはベームの引き締まった演奏です。

第48回(10月31日締め切り)投票結果

ブラームス:クラリネット五重奏曲ロ短調Op.115

順位       演 奏(録音年、Lライブ、Mモノーラル)                  得点
1         プリンツ(Cl)ウィーン室内合(80 )                  10
2         ウラッハ(Cl)ウィーン・コンツェルトハウス弦四(52M)            6
3         ライスター(Cl)ベルリン・ゾリステン(88)               4
3         A.ボスコフスキー(Cl)ウィーン八重(61)                  4
5         ライスター(Cl)アマデウス弦四(67)                 2
5         マイヤー(Cl)アルバン・ベルク弦四(98L)             2
7         ストルツマン(Cl)東京弦四(93)                      1
 ウィーン・フィルの50年代(ウラッハ)、60年代(ボスコフスキー)、70年代(プリンツ)のクラリネット奏者が1・2・3位になりました。それぞれの弦もウィーン・フィルのメンバーですので、ウィーン・フィルの室内楽です。独特の味のあるウラッハ、ボスコフスキーよりもよりも近代的なプリンツといったところでしょうか。3位と5位にはいったライスター、5位のマイヤーはベルリン・フィルですね。特にマイヤーとアルバン・ベルクQの演奏はライヴにもかかわらず完璧ともいえる演奏だと思います。ただ聴き手にも緊張を強いるところがあってちょっと疲れますね。店主のイチオシも(ウラッハを横に観つつ)プリンツです。

サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調Op.78「オルガンつき」

順位       演 奏(録音年、Lライブ、Mモノーラル)                    得点
1         ミュンシュ/ボストン響、ザムコヒアン(Org)(59)             12
2         デュトワ/モントリオール響、ハーフォード(Org)(91)      8
3         オーマンディ/フィラデルフィア管、ビッグス(Org)(62)             5
4         ミュンフン/バスティーユ管、マッテス(Org)(91)            4
5位    マルティノン/フランス国立管、ガヴォティ(Org)(75      3
6         トスカニーニ/NBC響、クック(Org)(52M)           2
7         プレートル/ウィーン響、アラン(Org)(90)            1
7         アンセルメ/スイス・ロマンド管(62)                     1
 ミュンシュの豪快な演奏が1位です。2位は録音の良いデュトワ、3位にはオーマンディのゴージャスな演奏が選ばれました。この曲は録音がよくないと楽しめないところがありますね。ミュンシュ盤は59年とは思えないいい録音です。録音では、4位のミュンフンもいいですし、演奏も丁寧ですが、今ひとつ深みが内容に店主は思えます。店主はミュンシュの演奏はチョットデリカシーに欠けるところがあるのでそれほどでは好きではありません。店主のイチオシは5位のマルティノン以下フランス人によるフランスの香り豊かな演奏です。

第47回(9月30日締め切り)投票結果

モーツァルト:フルート協奏曲第1番ト長調K.313

順位       演 奏(録音年、Lライブ、Mモノーラル)                    得点
1       ランパル(Fl)グシュルバウアー/ウィーン響(66)          6
1       パユ(Fl)アバド/ベルリン・フィル(96)                    6
3       ゴールウェイ(Fl)マリナー/アカデミー室内管(95)          4
4       ニコレ(Fl)リヒター/ミュンヘン・バッハ管(60)              3
4       クイケン(Fl)/S・クイケン/ラ・プティット・バンド(86)       3
6       ブラウ(Fl)カラヤン/ベルリン・フィル(71)             2
6       トリップ(Fl)ベーム/ウィーン・フィル(74)              2
6       グラーフ(Fl)レパード/イギリス室内管(84)            2
9       グラーフ(Fl)/ローザンヌ室内管(69)                1
 ランパル、パユ2人の新旧フランス人の演奏が6点ずつ同点で1位になりました。両者ともにすごいテクニシャンで明るい演奏ですが、ランパルは華麗、パユはしなやかという持ち味がありますね。3位のゴールウェイの演奏の華麗な演奏はランパルとはまたちょっと違う持ち味があります。ニコレ、グラーフといったランパル時代の演奏は渋いですね。クイケンの古楽器での演奏も音色が渋いです。店主のイチオシは昔からなじんできたランパルの華麗な演奏です。

グリーグ:「ペール・ギュント」組曲第1・2番Op.46&56

順位       演 奏(録音年、Lライブ、Mモノーラル)                    得点
1      バルビローリ/ハレ管(68)                            7
2      フィエルスタード/ロンドン響(58)                  4
2      カラヤン/ベルリン・フィル(82)                    4
4      ビーチャム/ロイヤル・フィル(56)                        3
4      レパード/イギリス室内管(75)                       3
4      N.ヤルヴィ/イェーテボリ響(87)                   3
4      ブロムシュテット/サンフランシスコ響(88)                    3
8      カラヤン/ベルリン・フィル(71)                       2
9      サロネン/オスロ・フィル(87)                        1
 バルビローリの暖か味のある演奏が7点で1位です。ハレ管は録音当時それほどうまいオケではありませんが、バルビローリの指揮のうまさが素朴な味を引き出していいです。フィエルスタードとビーチャムの往年の名演奏はもそれぞれ古さを感じさせりものの味わいの深い演奏です。カラヤンはこういった曲を本当に聴きやすくうまく盛り上げて聴き応えがあります。うまいですね。店主のイチオシは4位のレパードの丁寧でさらりとした演奏なのです。レコード時代からはまってます。

第46回(8月31日締め切り)投票結果

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
順位       演 奏(録音年、Lライブ、Mモノーラル)                    計
1         グルダ(P)シュタイン/ウィーン・フィル(71)                   9
2         ギレリス(P)セル/クリーヴランド管(68)             3
2         ゼルキン(P)オーマンディ/フィラデルフィア管(62)        3
2         ブレンデル(P)レヴァイン/シカゴ響(83L)            3
5位     グールド(P)バーンスタイン/ニューヨーク・フィル(61)       2
5         ハンゼン(P)フルトヴェングラー/ベルリン・フィル(43ML)      2
5         ポリーニ(P)アバド/ベルリン・フィル(92,93L)                 2
8         バックハウス(P)イッセルシュテット/ウィーン・フィル(58)     1
8         ゼルキン(P)シュナイダー/マールボロ音楽祭管(74)       1
8         ケンプ(P)ライトナー/ベルリン・フィル(61)                    1
グルダの演奏が他を引き離して9点で1位です。この演奏は本当にきれいですよね。「ウィーンのベートーヴェン」という言い方がぴったりの演奏だと思います。バックもいいですね。録音がデッカの割にはさえないのが残念ですが。2位にはギレリス、ゼルキン、ブレンデルが3点ずつ獲得しています。ギレリスはセルの主導的な演奏ですが整然としていて模範的な演奏だと思います。ゼルキンはがっちりとした演奏で聴かせます。ブレンデルはこれもウィーン風できれいですね。惜しむらくはバックがちょっと派手過ぎます。でもその後のラトル/ウィーン・フィルとの焦点のぼけた演奏よりもいいです。店主のイチオシはもちろんグルダです。90年代にアバド/ベルリン・フィルと再録してくれたらという思いがあります。

ブラームス:交響曲第3番ヘ長調Op.90
順位       演 奏(録音年、Lライブ、Mモノーラル)               計
1        ヴァント/北ドイツ放響(95L)                    6
2        フルトヴェングラー/ベルリン・フィル(49ML)           5
3        カラヤン/ベルリン・フィル(88)                  4
4        カラヤン/ウィーン・フィル(60)               3
5        バルビローリ/ウィーン・フィル(67)                  2
5        シュタイン/バンベルク響(97)                  2
5        ケルテス/ウィーン・フィル(73)                2
5        セル/クリーヴランド管(65)                     2
9        ベーム/ウィーン・フィル(75)                   1
ヴァント、フルヴェン、カラヤンが1点ずつの差で1・2・3位となりました。ヴァントは新しいほうの録音ですが、ほかの3曲は80年代のほうがいいと思いますが、3番だけはこちらのほうがいいですね。フルトヴェングラーの高揚感のある演奏もスゴイ!録音がチョットですね。カラヤン晩年の録音も年齢を感じさせない見事な演奏です。店主のイチオシもヴァントですが、ほかに目立たないながらシュタインの枯れ切った演奏も好きです。

第45回(7月31日締め切り)投票結果

J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調BWV.565
             演  奏(録音年、L:ライブ、Mモノーラル)   計
1      ヘルムート・ヴァルヒャ(56)                                        10
2      カール・リヒター(64)                                                   5
3      カール・リヒター(54)                                                   4
4      トン・コープマン(83)                                                    3
5      パワー・ビッグズ(60)                                                  2
5      グスタフ・レオンハルト(73)                                         2
7      ストコフスキー/交響楽団(ストコフスキー編)(59)   1
7      ヘルムート・リリング(74)                                               1
7      マリー・クレール・アラン(82)                                      1
定番ともいうべきヴァルヒャの演奏が1位です。いわゆるバッハの精神性というイメージにぴったりの立派な演奏です。まさに頭をたれて聴く演奏ですね。リヒターは新旧の録音に得点がバラけてしまいましたこちらはヴァルヒャよりロマン的な演奏だと思います。バッハのオルガン曲はこの2人で決まりという気がします。もちろんコープマンもレオンハルトもアランもそれぞれ立派な演奏ではありますが・・店主のイチオシもヴァルヒャです。

マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」
             演  奏(録音年、L:ライブ、Mモノーラル)     計
1      バーンスタイン/ニューヨーク・フィルほか(87)      8
2      クレンペラー/フィルハーモニア管ほか(65)        5
2      アバド/ウィーン・フィルほか(92L)                    5
4      ワルター/ニューヨーク・フィルほか(58)            4
5      アバド/ルツェルン祝祭管ほか(03L)                   3
6      アバド/シカゴ響ほか(76)                                    2
6      ショルティ/シカゴ響ほか(80)                             2
6      ハイティンク/ベルイン・フィルほか(93)           2
6      小澤征爾/サイトウ・キネンほか(00L)                2
10    メータ/ウィーン・フィルほか(75)                       1
10    インバル/フランクフルト放響ほか(85)               1
10    シノポリ/フィルハーモニア管ほか(85)              1
バーンスタインの新しいほうの録音が1位、クレンペラー、アバド/ウィーン・フィルが2位です。バーンスタインの演奏はテンポが遅いのですが、聴いているものを引きずり込む何かを持った演奏ではないでしょうか。クレンペラーの演奏にもそのようなものを感じます。アバドは3種の録音に得点がバラけてしまいました。店主は一番新しいルツェルンとの演奏がイチオシです。この演奏を聴くとマーラーの演奏もバーンスタインに代表される思い入れたっぷりの演奏から、さらりとした現代的ともいえる軽めの演奏に時代が変わりつつあるような気がします。

第44回(6月30日締切)投票結果

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番ハ長調K.330

             演  奏(録音年、L:ライブ、Mモノーラル)    計
1         ワルター・ギーゼキング(53M)                               10
2         マリア・ジョアオ・ピリス(90)                                       9
3         クララ・ハスキル(54M)                                              5
4         リリー・クラウス(56M)                                               4
5         ワルター・クリーン(64)                                              3
5         イングリッド・ヘブラー(86)                                         3
7         アルフレート・ブレンデル(75)                               2
7       ダニエル・バレンボイム(84)                                      2
7         ロナルド・ブラウティハム(FP)                                    2
10       フリードリヒ・グルダ(80)                                    1
10       内田光子(83)                                                             1
ズラリとモーツァルト弾きとして定評のあるピアニストが並びました。1位のギーゼキングは現代の私たちの耳では、あまりにもそっけない演奏にも聞こえますが繰り返し聴ける普遍的な演奏だと思います。2位のピリスはすごく繊細で考え抜いた演奏ですね。こちらは聴き手にも訴えかけるものが多いので、ちょっと疲れるかもしれません。3位のハスキルの演奏はピリスと同じく繊細ですが、こちらのほうがやさしさのある演奏だと思います。店主はハスキルに大いに心を引かれながら、ギーゼキングの普遍的な演奏がイチオシです。

ホルスト:組曲「惑星」Op.32,H.25

             演  奏(録音年、L:ライブ、Mモノーラル)               計
1        ボールト/ロンドン・フィル、G.ミッチェル合(79)                  13
2        カラヤン/ウィーン・フィル、ウィーン国立歌劇場合(61)           4
2        カラヤン/ベルリン・フィル、RIAS室内合(81)                           4
4        プレヴィン/ロンドン響、アンブロージアン合(73)                     3
4        マリナー/ロイヤル・コンセルトヘボウ管、アンブロージアン合(77)    3
4        デュトワ/モントリオール響・合(86)                                                       3
4        レヴァイン/シカゴ響・合(89)                                                                 3
8        ストコフスキー/ロスアンジェルス・フィル、R・ワーグナー合(58)         2
8        オーマンディ/フィラデルフィア管・合(75)                                             2
8        グローヴズ/ロイヤル・フィルほか(90頃)                                             2
11       メータ/ロスアンジェルス・フィルほか(71)                                           1
11       ハンドリー/ロイヤル・フィル、アンブロージアン合(93)                      1
11       ガーディナー/フィルハーモニア管、モンテヴェルディ合(94)             1
この曲の初演を指揮したボールとの5回目(最後)の録音がダントツで1位です。この演奏を聴くとこの曲はイギリス人の曲なのだということがわかります。パーカッションを強調したスペクタクルな演奏が多いなかでこの演奏を聴くとほっとします。2位にはこの曲を有名にしたカラヤンのウィーン・フィルとベルリン・フィルの再録音が同点です。聴いて面白いのは、録音は旧くなりましたがウィーン・フィル戸のものですね。店主のイチオシはダントツボールトです。レアイン/シカゴに代表されるような派手なだけの演奏はチョットネです。

第43回(5月31日締切)投票結果

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調Op.47「クロイツェル」

             演  奏(録音年、L:ライブ、Mモノーラル)    計
1          オイストラフ(Vn)オボーリン(P)                               9
2         クレーメル(Vn)アルゲリッチ(P)                               6
2          グリュミオー(Vn)ハスキル(P)                     6
4          ハイフェッツ(Vn)スミス(P)                                     4
5          ミルシティン(Vn)バルサム(P)                  3
5          フランチェスカッティ(Vn)カザドシュ(P)                   3
7          スターン(Vn)ザーキン(P)                                      1
7          シュナイダーハン(Vn)ゼーマン(P)                1
昔から定評のあるオイストラフとオボーリンが1位、比較的最近のクレーメルとアルゲリッチのスリリングな演奏およびそれとは対照的なグリュミオーとハスキルの古典的な演奏が2位になりました。どれもがそれぞれ個性があっていい演奏であることには変わりありません。店主は3つとも好きですが、しいて選ぶとやはりオイストラフにになります。また今回は投票されませんでしたが、クライスラーの気品ある演奏も店主は好きです。

シューマン:交響曲第4番ニ短調Op.120

              演  奏(録音年、L:ライブ、Mモノーラル)    計
1         フルトヴェングラー/ベルリン・フィル(53M)             11
2         クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管(69)        6
3         セル/クリーヴランド管(60)                                        5
4         サヴァリシュ/ドレスデン・シュターツカペレ(72)      4
5        クーベリック/バイエルン放響(78)                   3
5         カラヤン/ウィーン・フィル(87L)                             3
7        アーベントロート/ライプツィヒ放響(51M)                 2
8        バーンスタイン/ウィーン・フィル(84L)            1
8        グッドマン/ハノーヴァー・バンド(93)                1
フルトヴェングラーもこの録音に満足したという53年の録音がダントツの1位です。2位にはこれも昔から定評のあるクレンペラーが入り、3・4位は1点差でセル、サヴァリッシュが入りました。フルトヴェングラーの演奏はすごさを感じさせる演奏ですね。店主はフルトヴェングラーのすごさ、クレンペラーの立派さを認めつつも、セルの完璧な演奏がイチオシです。

第42回(4月30日締切)投票結果

シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.47                        

              演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル)                         得点
1位        五嶋みどり(Vn)メータ/イスラエル・フィル(93)                      5
1      ハーン(Vn)サロネン/スウェーデン放響(07)                        5
3位         チョン・キョンファ(Vn)プレヴィン/ロンドン響(70)                      4
4位          オイストラフ(Vn)オーマンディ/フィラデルフィア管(59)                            3
4          諏訪内晶子(Vn)オラモ/バーミンガム市響(02)                                    3
4          ヌヴー(Vn)ジュスキント/フィルハーモニア管(45M)                                3
4          ムター(Vn)プレヴィン/ドレスデン国立管(95)                                       3
8位          ハイフェッツ(Vn)ヘンドル/シカゴ響(59)                                              3
8          クレーメル(Vn)ロジェストヴェンスキー/ロンドン響(77)                           2
8          カヴァコス(Vn)ヴァンスカ/ラハティ(90)                                               2
8          フェラス(Vn)カラヤン/ベルリン・フィル(64)                                          2
12位        フランチェスカッティ(Vn)バーンスタイン/ニューヨーク・フィル
(63)                1
 投票が大いに割れたこともあって、1位はみどりとハーンの女性になりました。ハーンは発売されたばかりです。ともに抑制の効いた内に情熱を込めた演奏で すね。両者とも名演奏だと思います。3位のチョン・キョンファ、4位の諏訪内、ヌヴー、ムターも女流です。8位のカヴァコスは初演時の楽譜による演奏もあ わせて収録され散るCDです。店主のイチオシは、オイストラフの安定した演奏に一目を置きつつ89年のPMFで聴いたみどりの情熱のある演奏にひかれてみ どりが1位です。

モーツァルト:交響曲第36番ハ長調K.425「リンツ」                        

              演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル)                   得点
1
        ワルター/コロンビア響(60)                         8
2
            クーベリック/バイエルン放響(80)                  5
3 
           ベーム/ベルリン・フィル(66)                                                       3
3
            シュールヒト/パリ・オペラ座管(61)                                             3
3
            クライバー/ウィーン・フィル(91L)                                               3
3
            ホグウッド、シュレーダー/エンシェント室内管(77)                    3
7
            ケルテス/ウィーン・フィル(62)                                                     2
7
            クレンペラー/フィルハーモニア管(56)                                        2
7
            マッケラス/プラハ室内管(86)                                                     2
10
          スウィトナー/ドレスデン国立管(68)                                            1
10
          カラヤン/ベルリン・フィル(70)                                                     1
10
          カザルス/プエル・ト・リコ・カザルス音楽祭管(59L)                   1
10
          デイヴス/ドレスデン国立管(88)                                                 1
10
          クーベリック/ウィーン・フィル(61)                                               1
  往年の名盤とも言うべきワルター/コロンビア交響楽団がトップでした。今聴くとオケがあまり上手くなかったり欠点がありますが、ワルターの心温まる演奏は 何物にも変えがたいですね。クーベリックも同様ですね。シューリヒトはオケのアンサンブルが荒いのが惜しいです。クライバーはDVDの演奏ですが、歌心の ある演奏です。ホグウッド&シュレーダーの古楽器による演奏は今も新鮮な響きです。店主のイチオシは若いときに聴いたワルターに心引かれながらもクライ バーです。

第41回(3月31日締切)投票結果 
      
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調Op.97「大公」       
    演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル)                           得点
1位   コルトー(P)ティボー(Vn)カザルス(Vc)(28M)           14
2位    ルービンシュタイン(P)ハイフェツ(ン)フォイアマン(Vc)(41M)      7
2    ケンプ(P)シェリング(Vn)フルニエ(VC)(70)                 7
4    インマゼール(FP)ベス(Vn)ビルスマ(Vc)(99)                6
5    パネンカ(P)スーク(Vn)フッフロ(Vc)(75)                          4
6    プラハ・グァルネリ・トリオ                           2
7    リヒテル(P)ボロディン四重奏団員                       1
歴 史的名盤であるいわゆるカザルス・トリオの1928年の録音が1位に選ばれました。なんと80年も前の演奏ですね。日本の音楽批評家の草分けである野村あ らえびす(野村胡堂)氏が、昭和13年(1938年)に書かれた「名曲決定盤」のなかで、カザルス・トリオを世界最高の芸術団体とし、「大公トリオ」の演 奏について満点以上と最大の賛辞を述べています。80年たった現在聴いても立派な演奏ですね。EMIのCD復刻聴きやすくも大変良い出来です。2位にも壱 百萬ドルトリオといわれたルービンシュタイン・トリオの演奏が選ばれています。大昔の名盤が1・2位を占めるという結果になりました。店主のイチオシもカ ザルス・トリオです。
       
ハイドン:交響曲第101番ニ長調「時計」       
    演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル)             得点
1位   ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(87L)          9
2    トスカニーニ/NBC響(47M)                     8
3    アルノンクール/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(88)      5
4    モントゥ/ウィーン・フィル(59)                    4
5    デイヴィス/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(79)          3
5    カラヤン/ベルリン・フィル(82)                    3
6    リヒター/ベルリン・フィル(61)                    2
6    クイケン/ラ・プティット・バンド(94)                   2
6    ヨッフム/ロンドン・フィル(73)                     2
9    ノリントン/ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ          1
9    アバド/ヨーロッパ室内管(88)                   1
9    ビーチャム/ロイヤル・フィル(58)                  1
こ ちらは、古楽器を使ったブリュッヘンの演奏が1位に、往年の名盤トスカニーニの演奏が1点差で2位になりました対照的な2つの名演奏ですです。80年代の ブリュッヘンの演奏は真正面に向かった攻撃的な演奏で凄みのある演奏だと思います。2000年くらいなるともっと優しい演奏に変化しますが。トスカニーニ も3位のアルノンクールも同様に古劇的というか肩の張った演奏ですね。4位5位のモントウ、デイヴィス、カラヤンは逆に肩の張らない優しさのある演奏だと 思います。店主のイチオシは肩のこらないハイドンが好きなので、デイヴィスの丁寧な演奏です。

第40回(2月29日締切)投票結果                   

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲ハ長調K.299   
             
          
演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル)               得点
1位        ランパル(Fl)ラスキーヌ(Hp)パイヤール/パイヤール室内管(63)      12
2
         シュルツ(Fl)サバレタ(Hp)ベーム/ウィーン・フィル(75)              5
3
         ニコレ(Fl)シュタイン(Hp)リヒター/ミュンヘン・バッハ管(60-62)     4
4
         パユ(Fl)ラングラメ(Hp)アバド/ベルリン・フィル(96)                 2
4
         トリップ(Fl)イェリネク(Hp)ミュンヒンガー/ウィーン・フィル(62)     2
4
         ゴールウェイ(Fl)ヘルミス(Hp)カラヤン/ベルリン・フィル(71)                  2
4
         ベズノシウク(Fl)ケリー(Hp)ホグウッド/エンシェント室内管(86)               2
8
         グラーフ(Fl)U.ホリガー(Hp)グラーフ/ローザンヌ室内管(69)        1
8
         ゴールウェイ(Fl)ロブレス(Hp)マリナー/アカデミー室内管(95)            1
 ラ ンパル全盛期の1963年にラスキーヌ、パイヤールとの録音が1位になりました。この名曲の名演奏、まさに決定盤といえるでしょうか?典雅で優美な第2楽 章、ちょっと速めのテンポの第3楽章も素晴らしいですね。2位に選ばれたベーム、4位のパユとアバドもいいですが・・3位のニコレとリヒターは、ランパル とは対照的な厳しさのある演奏です。店主のイチオシはもちろんランパルです。                     

チャイコフスキー:交響曲第4番へ短調Op.36 
           
           演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル)          得点
1位        ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル(60)         8
2         カラヤン/ベルリン・フィル(71)               7
3
         モントゥ/ボストン響(59)                        4
3
         カラヤン/ウィーン・フィル(81)                 4
5
         マルケヴィチ/ロンドン響(63)                3
6
         ストコフスキー/アメリカ響(71)               2
6
         オーマンディ/フィラデルフィア管(73)              2
6
         アバド/シカゴ響(88)                      2
9
         アーベントロート/ライプツィヒ放響(51M)                1
9
         セル/ロンドン響(62)                    1
9
         ヤンソンス/オスロ・フィル(84)                 1
  こ ちらも永遠の名盤といえるムラヴィンスキーの1960年の録音が1位になりました。ムラヴィンスキーの厳格な指揮、ロシアの大地を思わせるレニングラー ド・フィルの重厚な演奏ですね。2位jには1点差でカラヤンの1971年の録音が選ばれました。カラヤン/ベルリン・フィルの全盛期の録音です。華麗な演 奏ですね。この2つの演奏はともに力のあふれる充実した演奏だと思います。店主のイチオシはロシアを感じさせるムラヴィンスキーです。

第39回(1月31日締め切り)の結果 

シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54       
    演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル)             得点
1位    リパッティ(P)カラヤン/フィルハーモニア管(48M)      5
2位    ポリーニ(P)アバド/ベルリン・フィル(89)               4
3位    ルプー(P)プレヴィン/ロンドン響(73)                  3
3位    ツィンマーマン(P)カラヤン/ベルリン・フィル(81,82)        3
3位    ペライア(P)アバド/ベルリン・フィル(94)               3
6位    ギーゼキング(P)カラヤン/フィルハーモニア管(53M)       2
6位    フライシャー(P)セル/クリーヴランド管(60)             2
6位    ブレンデル(P)アバド/ロンドン響(79)                 2
6位    アルゲリッチ(P)アルノンクール/ヨーロッパ室内管(93L)     2
10位    リヒテル(P)マタチッチ/モンタカルロ歌劇場管(74)        1
  接戦でしたが、1948年録音のリパッティ(P)カラヤンが1位に選ばれました。モノーラル録音で録音もさえませんが、瑞々しい演奏で、シューマンの若い 息吹が伝わってきます。永遠の名盤といえるでしょう。2位はポリーニ、3位はルプー、ツィンマーマン、ペライアの三点が選べれてます。リパッティとは1・ 2点差です。どれを聴いてもいい演奏で、決めるのがなかなか難しいですね。店主も大いに迷ったのですが今回は録音の良さも考えて、ペライア(P)アバドを イチオシにしました。ピアノの音がきれいなので、それだけでも聴き栄えがします。なお、ツィンマーマン(P)カラヤンの録音について、以前ツィンマーマン が来日した折のインタビューで、ツィンマーマンはカラヤンの指揮と上手く合わなかったため、ベルリン・フィルのメンバーと相談して、カラヤンの指揮を無視 して演奏したが、カラヤンは1つも文句を言わなかったということです。
       
ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調Op.60       
    演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル)              得点
1    クライバー/バイエルン国立管(82L)              6
2    フルトヴェングラー/ウィーン・フィル(52M)              4
3    フルトヴェングラー/ベルリン・フィル(43LM)             3
3    ベーム/ウィーン・フィル(72)                      3
3    アバド/ベルリン・フィル(92)                       3
6    ワルター/コロンビア響(58)                       2
6    カラヤン/ベルリン・フィル(62)                     2
6    カラヤン/ベルリン・フィル(83)                     2
6    P.ヤルヴィ/ドイツ・カンマー・フィル(05)                 2
10    クリュイタンス/ベルリン・フィル(59)                 1
10    クレンペラー/バイエルン国立管(65L)                1
10    サヴァリッシュ/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(91)         1 
  こちらも得点がばらけてしまいましたが、クライバーの82年の演奏が1位に選ばれました。これはカール・ベーム追悼演奏会のライブですね。緊張感のある速 いテンポで攻めまくるといった感じの演奏です。最初に聴いたときは衝撃的でした。それまでよく聴いていたワルターやベームの演奏とは違っていたので。2位 には、フルトヴェングラー/ウィーン・フィルの52年のスタジオ録音、3位には同じフルトヴェングラーとベルリン・フィルの43年のライブ、ベーム/ ウィーン・フィル、アバド/ベルリン・フィルの新しいベーレンライター版による演奏が選ばれています。このアバドや、6位のP・ヤルヴィの編成を小さくし てベートーヴェンの指示した速いテンポで演奏するのがこれからの主力となるのでしょう。店主のイチオシは、それを認めつつもフルトヴェングラーの1943 年のライブです。戦時下の異常な環境の中で行われた演奏で、クライバー以上に緊張感が伝わってきます。

第38回(12月31日締め切り)の結果
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調Op.35「葬送」

            演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル)               得点
1位            マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)(74)                  14
2
            マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)(83)                   6
3
            アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)(61)         5
4
            サムソン・フランソワ(ピアノ)(64)                     2
4
            ウラディミール・ホロヴィッツ(ピアノ)(63)                2
6
            エフゲニー・キーシン(ピアノ)(99)                    1
 マ ルタ・アルゲリッチの74年録音が1位に選ばれました。アルゲリッチ34歳頃の録音ですが、それまでの奔放な演奏から冷静さも兼ね備えた名演奏とでもいえ るでしょうか。2位にポリーニ。3位にルービンシュタインとこの三人はショパンの演奏では欠かせないアーティストといえます。その意味では、同点4位のフ ランソワ、ホロヴィッツも個性的なショパンを聴かせてくれるアーティストですね。6位のキーシンは2007年に発売されたショパン・アルバムが素晴らしい 出来だったので今後に期待したいです。店主のイチオシは、やはりアルゲリッチです。

マーラー:交響曲第4番ト長調                    

              演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル)                        得点
1位           バーンスタイン/ニューヨーク・フィル、グリスト(S)60        8
2
            クレンペラー/フィルハーモニア管、シュワルツコップ(S)(61)              6
3
            ハイティンク/コンセルトヘボウ管、アレクザンダー(S)83)        4
4
            アバド/ウィーン・フィル、シュターデ(MS)(77)                    3
4
            ラトル/バーミンガム市響、ルークリフト(S)                         3
4
            ハイティンク/コンセルトヘボウ管、マナクネアー(S)06L)         3
7
            ショルティ/ロイヤル・コンセルトヘボウ管、スタールマン(S)(62)        2
7
            メンゲルベルク/コンセルトヘボウ管、ヴィンセント(S)(39LM)           2
7
            ベルティーニ/ケルン放響、ポップ(S)(87)                   2
7
            カラヤン/ベルリン・フィル、マティス(S)(79)                      2
11
          ショルティ/シカゴ響、テ・カナワ(S)83                         1
  バーンスタインの1回目の録音が1位です。小差でクレンペラー、ハイティンクと続いてます。バーンスタインの演奏は、1回目のマーラー交響曲全集の最初の 録音です。この年、ニューヨーク・フィルはマーラーの交響曲を集中的に演奏、指揮はワルター、ミトロプーロスとバーンスタインの三人で分担したそうです、 当時42歳のバーンスタインは大家2人の刺激を受けながら張り切って演奏したことと思われます。その成果がこの録音に現れているのでしょう。2007年末 にオリジナルの3チャンネル録音のマスターから新たに作られたSACDが発売になって音質が改善されていますが、特にSACDマルチで聴くと各楽器の定位 が良くなり、聴き応えがあります。クレンペラーの演奏はバーンスタインとは対照的な演奏ですね。シュワルツコップもさすがに上手い。店主のイチオシは4位 のハイティンクとコンセルトヘボウの2006年の最新盤です。ハイティンクは年を重ねるほどよくなってますね。しっとりとした演奏です。またこれは SACDで5チャンエル・マルチの録音が素晴らしい。目の前にコンセルトヘボウのステージが再現されると思わせる音響です。

第37回(11月30日締め切り)の結果
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
         演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル)                     得点
1位    マルティノン/フランス国立放管、マリオン(Fl)(73)            6
2位    デュトワ/モントリオール響、ハッチンズ(Fl)(89)                 5
3位    カラヤン/ベルリン・フィル、ツェラー(Fl)(77)                    4
4位    プラッソン/トゥールズ・キャピトル管(87,88)                    3
4位    ブーレーズ/クリーヴランド管(91)                          3
6位    モントゥー/ロンドン響、モントゥー(Fl)'61)                     2
7位    アンセルメ/スイス・ロマンド管、ペパン(Fl)(57)                  1
 ジャ ン・マルティノンとフランス国立放送管弦楽団の演奏が1位に選ばれました。3位のカラヤン以外は、すべてフランス系の指揮者の演奏です。ドビュッシーの独 特の雰囲気はフランス系の指揮者でないと、表現が難しいのでしょうか。マルティノンの演奏はドビュッシーの管弦楽全集としてまとめて録音されたもので、ど の曲もレベルが高い演奏で、安心して聴くことができますね。店主のイチオシもマルティノンです。もうひとつ、モントゥの演奏も好きです。

ヘンデル:オラトリオ「メサイア」HVW.56
    演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル)                     得点
1位    クレンペラー/フィルハーモニア管・合(64)                6
2    ピノック/イングリッシュ・コンサートほか(88)                   4
3    ビーチャム/ロイヤル・フィルほか(59)                       3
3    ガーディナー/イギリス・バロック管ほか(82)                   3
5    リヒター/ミュンヘン・バッハ管・合ほか(64)                    2
5    A・デイヴィス/トロント響ほか                            2
5    アルノンクール/ウィーンCM、シェーンベルク合(04L)             2
8    マリナー/アカデミー室内管・合(76)                        1
8    デイヴィス/ロンドン響ほか(06)                           1
 ク レンペラーの64年の録音が1位となりました。チョット意外かもしれません。いまさらモダン楽器の演奏なんてト思われるかもしれません。しかし聴いてみる と、編成を小さくして遅いテンポでじっくりと聴かせます。聴いているうちの思わず居住まいを正してしま痛くなるような立派な演奏で聴き応えがあります。2 位のピノックや、ガーディナー、アルノンクールが古楽器による演奏で、現在では古楽器による演奏が多くなっています。面白いのは3位のビーチャムです。こ れは、ユージン・グーセンスという指揮者の編曲によるもので、現代の金管楽器や打楽器を多用したもので、シンバルが派手にならされ、豪華絢爛という派手な 演奏です。また、5位のカール・リヒターの演奏はドイツ語版で、厳しい演奏です。店主のイチオシはやはりクレンペラーなんです。

第36回(10月31日締め切り)の結果
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV.1042

    演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル)                          得点
1位    シェリング(Vn)/コレギウム・ムジクム・ヴィンタートゥール(65)              9
2位    スタンテイジ(Vn)ピノック/イングリッシュ・コンサート(83)                  5
3位    シェリング(Vn)マリナー/アカデミー室内管(76)                        4
4位    A・アルノンクール(Vn)アルノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(65)     2
4位    ミケルッチ(Vn)/イ・ムジチ合奏団                               2
4位    ハーン(Vn)カハーン/ロスアンゼルス室内管(02)                      2
4位    寺神戸亮(Vn)鈴木雅明/バッハ・コレギウム・ジャパン(99)                2
8位    グリュミオー(Vn)ゲレッツ/ソリスト・ロマンド(78)                       1
  シェリングの旧録音が1位に選ばれました。シェリングの新しい録音(といっても1976年ですから30年以上前)も3位に選ばれています。シェリングの誠 実な演奏に人気が集まったようです。1位に選ばれた旧録音はシェリングが指揮もかねています。新録音はシェリングのヴァイオリンは良いがマリナーの指揮が チョット・・というところでしょうか。2イハスタンテイジとピノックの古楽器の演奏が選ばれています。このグループの演奏は店主も実際のライブを聴いてい ますが、アットホームな雰囲気で温かみある演奏です。(最もスタンテイジとピノックはその後喧嘩別れをしたらしい)以下、A・アルノンクールは65年の古 楽器の走りの頃の演奏です。寺神戸は比較的最近の古楽器の演奏。ミケルッチ、グリュミオーはややロマンティックな演奏。若手のヒラリー・ハーンはこれから の有望株ですね。店主のイチオシもシェリングの旧録音です。

ブラームス:交響曲第2番ニ長調Op.73
    演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル)        得点
1    モントゥー/ロンドン響(62)               5
2    ワルター/ニューヨーク・フィル(53)             3
2    ベーム/ウィーン・フィル(75)                 3
2    カラヤン/ベルリン・フィル(86)                3
2    アバド/ベルリン・フィル(88)                 3
6    セル/クリーヴランド管弦楽団(67)             2
6    ハイティンク/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(73)     2
6    バーンスタイン/ウィーン・フィル(82)            2
6    ザンデルリンク/ベルリン響(90)              2
6    クライバー/ウィーン・フィル(91L)              2
6    ヴァント/北ドイツ放響(96)                 2
12    バルビローリ/ウィーン・フィル(68)            1
 
モ ントゥの62年録音が1位に選ばれました。モントゥが、この曲を好きでたまらないといった愛情あふれる丁寧な演奏です。フランス人が指揮したドイツ音楽で すが少しも違和感を感じさせません。2位にはワルターのモノーラル、ベームの晩年、カラヤンの晩年の演奏、三つとも定番といえる演奏です。ワルターはコロ ンビア響とのステレオ録音より覇気のある演奏、ベームはチョット緩やかですがオーソドックスな演奏、カラヤンはドイツ音楽を感じさせる演奏ですね。もうひ とつ2位に選ばれているアバドの演奏も引き締まったしなやかな演奏で素晴らしいですね。アバドは1番ではつまらない演奏になっていると思うのですが、この 2番は見事な出来だと思います。店主のイチオシも実はこのアバドです。

第35回(9月30日締切)投票結果
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467

  演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル) 得点
1位 グルダ(P)アバド/ウィーン・フィル(74) 14
2位 カーゾン(P)クーベリック/バイエルン放響(76L) 5
3位 リパッティ(P)カラヤン/ルツェルン音楽祭管(50LM) 4
3位 ブレンデル(P)マリナー/アカデミー室内管(81) 4
5位 グルダ(P)スワロフスキー/ウィーン国立歌劇場管(63) 2
5位 アンダ(P)/ウィーン響(73) 2
5位 内田(P)テイト/イギリス室内管(85) 2
8位 バレンボイム(P)/ベルリン・フィル(86) 1
8位 ペライア(P)ヨーロッパ室内管(90) 1
8位 シュミット(P)マズア 1
グ ルダとアバドの74年録音がダントツで1位になりました。カッチリとした演奏です。20番とのカップリングで録音されましたが、後年グルダが来日したとき にこのろくは良かったといっていました。(ただしその後の25・27番の録音はアバドがさっぱりで途中で飽きてしまったとも行っています)グルダはアバド がウィーン・アカデミーで勉強しているときのピアノ科の先生だったはずです。そのときの指揮の先生だった、スワロフスキーと63年にグルダハ録音してます が、こちらは禅僧のときからピアノがオケと戯れるように入ってきて、装飾音いっぱいの演奏で、店主はどちらかというとこの方が好きです。2位のカーゾンの 繊細で丁寧な演奏、3位のリパッティのこれも繊細な演奏も名盤ですね。
シューマン:交響曲第3番変ホ長調Op.97「ライン」
  演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル) 得点
1位 セル/クリーヴランド管(60) 11
2位 クーベリック/バイエルン放響(79) 9
3位 バーンスタイン/ウィーン・フィル(84L) 4
4位 サヴァリッシュ/ドレスデン国立管(72) 3
5位 クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管(69) 2
6位 ヴァント/北ドイツ放響(91L) 1
    60年のセルと79年のクーベリックが2点差で1・2位となりました。セルの演奏はセル版とでも言うスコアでの演奏ですが、がっちり・すっきりとして いて聴き応えのある演奏になっていますね。クーベリックはセルを柔軟にした演奏で、これもいいです。どちらもクリーヴランド管弦楽団、バイエルン放送交響 楽団の緻密なアンサンブルが聴きものです。店主も同感です。

第34回(8月31日締切)投票結果
モーツァルト:ディヴェルティメント第1番ニ長調K.136
  演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル) 得点
1 ウィーン八重奏団員(61)                            5
2 カラヤン/ベルリン・フィル(68) 4
2 イ・ムジチ合奏団(72) 4
4 パウムガルトナー/ルツェルン弦楽合奏団(76) 3
4 コープマン/アムステルダム・バロック管(89) 3
6 秋山和慶/桐朋学園斉藤秀雄メモリアル(84L) 2
6 ヴェーグ/カメラータ・ザルツブルク(99) 2
8 ハーゲン弦楽四重奏団(90) 1
   
録音が古くなりましたが、ウィーン八重奏団の61年の録音が1位になりました。ア ントン・フィーツ以下ウィーン・フィルのメンバーによる演奏で、ウィーン情緒あふれる名演です。1点差でカラヤンとイ・ムジチが2位です。どちらも定評あ る演奏です。この曲は弦楽合奏で演奏するものと、各パート1人で演奏するやり方があり、ウィーン八重奏団と、ハーゲン四重奏団が1人ずつで、ほかは合奏で す。店主のイチオシはウィーン八重奏団とヴェーグ/カメラータ・ザルツブルクの演奏が同じくらい好きです。特にヴェーグの演奏はアンサンブルが凄く整って いて、はつらつとしていて素晴らしいと思います。ヴェーグ/カメラータ・ザルツブルクのモーツァルト/ディヴェルティメント・セレナード集はCD10枚出ていますがすべて素晴らしいもので、聴いたことがない方にはぜひお勧めしたいです。


ブルックナー:交響曲第7番ホ長調
  演  奏(録音年、L:ライブ、M:モノーラル) 得点
1 ヴァント/ベルリン・フィル(99L) 9
2 カラヤン/ウィーン・フィル(89) 6
2 マタチッチ/チェコ・フィル(67) 6
4 カラヤン/ベルリン・フィル(70) 4
5 朝比奈/大阪フィル(75L) 3
5 ベーム/ウィーン・フィル(79) 3
7 デイヴィス/バイエルン放響(83L) 2
7 ヨッフム/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(86L) 2
9 フルトヴェングラー/ベルリン・フィル(49LM) 1

やはりというか、ヴァン ト/ベルリン・フィルの99年ライブ録音が1位になりました。ヴァントのブルックナーはどの演奏でも細かいところに手を入れながら、全体像を決して見失わ ない稀有な演奏だと思います。ヴァントは「ハース版」を使っていますが、この録音の第2楽章ではシンバルは無論野こととして、ティンパニーも一切入らない ものです。カラヤン/ウィーン・フィルはカラヤンのラストレコーディングでこれも名演だと思います。ただカラヤンらしさという面ではベルリン・フィルとの 70年のEMI録音のほうですね。カラヤンもハース版ですが第2楽章にティンパニーはもちろんノヴァーク版のシンバルも入っている演奏です。点のイチオシ はヴァントですが、83年のデイヴィス/バイエルン放送交響楽団の日本ライブも好きです。

第33回(7月31日締め切り)

ショパン:ポロネーズ第6番変イ長調Op.53「英雄」
1位 アルトゥール・ルービンシュタイン(64) 11点
2 マウリツィオ・ポリーニ(75) 7
3 ウラディーミール・ホロヴィッツ(71)

6

 
4 マルタ・アルゲリッチ(67) 3
4 ウラディーミール・アシュケナージ

3

 
6 サムソン・フランソワ(68)

2

 
6 マウリツィオ・ポリーニ(68)

2

 
8 エフゲニー・キーシン(99)

1

 
8 アルフレッド・コルトー(33SP)

1

 
  1位に選ばれたのはルービンシュタインです。アッケラカンとした感じもするような演奏ですが、自然体で、風格あふれる演奏だと思います。1886年生まれ のルービンシュタインですから録音時は77・8才位だったことになり、衰えを感じさせない立派な演奏だと思います。2位以下ポリーニ、ホロヴィッツ・・・ といわゆるショパン弾きというピアニストが並んでます。それぞれに良さがありますね。店主はホロヴィッツのスケールの大きな演奏が好きです。
リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」Op.35
1位 コンドラシン/ロイヤル・コンセルトヘボウ管、クレバース(Vn)(79) 6点
1位 ストコフスキー/ロンドン響、グリューエンバーグ(Vn)(65)

6点

 
3位 ゲルギエフ/マリンスキー劇場管、ヴィーチン(Vn)(01) 5点
4位 プレヴィン/ウィーン・フィル、キュッヘル(Vn)(81) 4点
5位 カラヤン/ベルリン・フィル、シュワルベ(Vン)(67)

3点

 
5位 ミョンフン/パリ・バスティーユ管、ラロウ(Vn)(92)

3点

 
5位 チェリビダッケ/シュトゥットガルト放響(82L)

3点

 
8位 ストコフスキー/ロイヤル・フィル、グリューエンバーグ(Vn)(75)

2点

 
8位 チェリビダッケ/ミュンヘン・フィル(84L) 2点
10位 マルケヴィチ/ロンドン響

1点

 
10位 オーマンディ/フィラデルフィア管、ブラシロウ(Vn)(62)

1点

 

 オーソドックスなコンドラシンとアクノ強いストコフスキーが動転で1位に選ばれ ました。コンドラシンは落ち着いた大人の演奏で最後に大きな山場が来る、オケのソロも上手いですね。ストコフスキーはイギリス・デッカが20チャンネル・ マルチで録音した「フェイズ4」というシリーズの最初のもので楽譜にない楽器を追加したりしてストコフスキーの面目躍如たるえんそうで、聴いていて一番面 白い演奏ではないでしょうか。3位のゲルギエフは録音が新しいのと4楽章に快速のテンポで爆発します。店主のイチオシはコンドラシンですが、ストコフス キーも好きです。

第32回(6月30日締め切り)

ハイドン:交響曲第94番ト長調「驚愕」
1位 セル/クリーヴランド管(67)   7点
2位 トスカニーニ/NBC響(53M)   5点
3位 アルノンクール/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(90)   4点
4位 モントゥ/ウィーン・フィル(59)   3点
4位 バーンスタイン/ウィーン・フィル(85L)   3点
4位 クリップス/ウィーン・フィル(57)   3点
7位 フルトヴェングラー/ウィーン・フィル(51M)   2点
8位 リヒター/ベルリン・フィル(61)   1点
8位 ヨッフム/ロンドン・フィル(72)   1点
8位 ブリュッヘン/18世紀オケ(92L)   1点
 セ ルの晩年の録音が1位になりました。隙のないきっちりとした演奏ですが暖かみを感じさせるものがあります。セルあは、ロンドン・セット(93〜104)の 後半6曲を録音しな買ったのが惜しまれます。2位にはトスカニーニが選ばれました。ハイドンの速度記号を守ったもので、最初に聴いたときはまさにびっくり ですね。3位のアルノンクールと8位のブリュッヘン以外は古楽器ではない昔からの定評ある演奏が選ばれてます。なお、店主のイチオシはやはりセルです。
ラロ:スペイン交響曲Op.21
1位 グリュミオー(Vn)ロザンタール/ラムルー管(63)   13点
2位 フランチェスカッティ(Vn)ミトロプーロス/ニューヨーク・フィル(57)(四楽章版)   4
3位 キョンファ(Vn)デュトワ/モントリオール響(80)   3
3位 フーベルマン(VN)セル/ウィーン・フィル(34M)(四楽章版)   3
5位 パールマン(Vn)バレンボイム/パリ管(80)   2
5位 ムター(Vn)小澤/フランス国立管(84)   2
7位 ハイフェッツ(Vn)スタインバーグ/RCA響(51M)(四楽章版)   1
7位 スターン(Vn)オーマンディ/フィラデルフィア管(67)   1

 こちらは圧倒的人気でグリュミオーが1位になりました。点数もダントツです。こ れぞ決定版といえる演奏だと思います。店主も賛成です。60年以前の録音である、フランチェスカッティ、フーベルマン、ハイフェッツハ、第三楽章を省略し た4楽章版になっていますが、これはサラサーテが初演時に省略したためなのですが、現在はライブでも5楽章で演奏するようになってきました。

第31回(5月31日締め切り)

モーツァルト:交響曲第35番ニ長調K.385「ハフナー」
1位 クーベリック/バイエルン放響(80) 7点
2位 ベーム/ベルリン・フィル(59) 6点
2位 ヨッフム/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(60)

6点

4位 バーンスタイン/ウィーン・フィル(84)

3点

4位 ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(85L)

3点

6位 ワルター/コロンビア響(59)

2点

6位 クレンペラー/フィルハーモニア管(60)

2点

6位 セル/クリーヴランド管(60) 2点
6位 ケルテス/ウィーン・フィル(72)

2点

10 ムーティ/ウィーン・フィル(97)

1点

10 スウィトナー/ドレスデン国立管(68)

1点

10 アルノンクール/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(80)

1点

  クーベリックが1位、1点差でベームとヨッフムが2位になりました。クーベリックの演奏は後期6大交響曲としてまとめて録音されたものですが、最初に聴い たときにはあのライブの熱気がほとんどない演奏に、クーベリックも老いたと思いました。しかし繰り返し聴くと細かい部分まで丁寧な演奏でライブとは違う クーベリックの別な演奏に感動した覚えがあります。以下、ベーム、ヨッフム、バーンスタイン、ワルター、クレンペラー、セルと定評のある演奏が選ばれてい ます。古楽器での演奏は4位にブリュッヘンだけなのがちょっと意外です。ライブでも古楽器では38番以降か、25・29あたりが演奏されることが多く、こ の曲はあまりやられませんね。店主のイチオシは2位のベームです。60年前後のベームの全盛期の充実した演奏だと思います。
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.83
1位 バックハウス(P)ベーム/ウィーン・フィル(67)

13点

2位 ゼルキン(P)セル/クリーヴランド管(66)

5点

3位 ポリーニ(P)アバド/ベルリン・フィル(85L)

4点

4位 ギレリス(P)ライナー/シカゴ響(58) 3点
4位 コワセヴィチ(P)サヴァリッシュ/ロンドン・フィル

3点

6位 リヒテル(P)ラインスドルフ/シカゴ響(60)

2点

6位 ルービンシュタイン(P)オーマンディ/フィラデルフィア管(71)

2点

8位 ツィンマーマン(P)バーンスタイン/ウィーン・フィル(84L)

1点

8位 アシュケナージ(P)ハイティンク/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(80)

1点

8位 ギレリス(P)ヨッフム/ベルリン・フィル(72)

1点

 定評ある、バックハウス84歳のときの録音がダントツの1位になりました。年齢 の衰えを感じさせない立派な演奏です。10歳位若いベームのピアノを支えるバックも見事です。味わいのある演奏ですね。2位のゼルキン、3位のポリーニ、 ともに演奏の完成度から言えばバックハウスより高いかもしれません。店主にイチオシはゼルキン&セルの演奏です。ギレリスが2種58年のライナーとのもの と72年のヨッフムのものが選ばれていますが、聴いて面白いのは58年のほうですね。ガンガン弾きまくるギレリスとそれに負けないがっちりとしたバックを つけるライナーの駆け引きもまた面白いと思います。

第30回(4月30日締め切り)

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番へ短調Op.57「熱情」
1位 フリードリッヒ・グルダ(67)   8点
2位 エミール・ギレリス(73)   5点
3位 ウィルヘルム・バックハウス(58)  

3点

 
3位 マウリツィオ・ポリーニ(02)  

3点

 
3位 ヴラディーミル・ホロヴィッツ(72)  

3点

 
3位 アルフレート・ブレンデル(94)   3点
7位 ブルーノ=レオナルド・ゲルバー(88)  

2

 
7位 ルドルフ・ゼルキン(63)  

2

 
9位 グレン・グールド(67)  

1

 
  グルダがトップ、2位にギレリスが入りました。グルダは気負いのない自然に流れる名演奏ですね。店主も1番好きな演奏です。ギレリスと3位のバックハウス は、いわゆる熱情のイメージの風格ある演奏ですね。ポリーニもその傾向ですね。ホロヴィッツ以下の演奏もそれぞれいいですね。グールドの30分以上かかる 演奏も最初はびっくりしますが最後は納得させられてしまいます。
メンデルスゾーン:交響曲第3番イ短調Op.56「スコットランド」
1位 クレンペラー/フィルハーモニア管(60)   12
2位 マーク/ロンドン響(58)  

5

 
3位 アバド/ロンドン響(84)  

3

 
3位 カラヤン/ベルリン・フィル(71)   3
3位 デイヴィス/バイエルン放響(83)  

3

 
6位 クレンペラー/バイエルン放響(69L)  

2

 
7位 アバド/ロンドン響(67)  

1

 
7位 アルノンクール/ヨーロッパ室内管弦楽団(91)   1

 こちらはクレンペラーの旧くからの名演とされている演奏がトップです。3位にこ れまた定評あるマークの演奏が入りました。クレンペラーはがっちりとした安定感のある演奏です。クレンペラーには6位に入ったバイエルン放響との69年の ライブがありますが、これは終楽章のコーダで急に曲調が変わるのを嫌ったクレンペラーがそのまま終わるように変えてしまったクレンペラー版の演奏で、初め て聴くとびっくりします。あまり有名ではないマークですが、この録音はこの曲の名演奏として必ず取り上げられる名盤です。以下アバド、カラヤン、デイヴィ ス、アルノンクールそれぞれもいい演奏だと思います。店主のイチオシは本当はクレンペラー/バイエルンといいたいところですがコーダはやはり不自然なの で、デイヴィス/バイエルンの演奏です。

第29回(3月31日締め切り)

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.18
1位 リヒテル(P)ヴィスロツキ/ワルシャワ国立フィル(58) 12点                      
アシュケナージ(P)ハイティンク/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(84) 5点                      
3位 ラフマニノフ(P)ストコフスキー/フィラデルフィア管(29M) 4点                      
4位 ツィンマーマン(P)小澤/ボストン響(00) 2点                      
4位 バシャーリ(P)アロノヴィチ/ロンドン響(75) 2点                      
6位 カッチェン(P)ショルティ/ロンドン響(58) 1点                      
6位 ルービンシュタイン(P)ライナー/シカゴ響(56) 1点                      
6位 グリモー(P)コボス/ロイヤル・フィル(92) 1点                      
 1958 年録音のリヒテルが、大差で1位になりました。確かにこの演奏は冒頭からスケールが大きく凄さを感じさせる演奏です。これを聴くとアシュケナージなどは軽 くて小粒に聴こえてしまいます。3位に作曲者のラフマニノフの1929年の録音が入っています。この演奏は録音が良ければトップに来るでしょうね。この曲 は録音が良いほうが楽しめる曲だと尾思うので残念です。店主のイチオシもリヒテルです。この曲は1945年制作のイギリス映画「逢びき」(デヴィッド・ リーン監督)に使われて有名になったということを知っている人はすくなったのでしょうね。
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調Op.92
1位 クライバー/ウィーン・フィル(75・76) 9点                      
2位 フルトヴェングラー/ウィーン・フィル(50ML) 8点                      
3位 アバド/ベルリン・フィル(99) 3点                      
3位 ベーム/ベルリン・フィル(58) 3点                      
5位 カザルス/マールボロ音楽祭管(69) 2点                      
5位 クレンペラー/フィルハーモニア管(60) 2点                      
7位 トスカニーニ/NBC響(51M) 1点                      
7位 ベーム/ウィーン・フィル(72) 1点                      
7位 ライナー/シカゴ響(55) 1点                

 これは予想通り、クライバーとフルトヴェングラーでトップ争いとなりました。1 点差でクライバーがトップになりました。クライバーの躍動感、フルトヴェングラーの高揚感、ともに聴き応えのする名演だと思います。特に終楽章が・・・し かし店主の好きな演奏はこの2つもいいのですがベルリン・フィルを指揮したアバドとベームの2つの演奏です。ベームの終楽章の遅めのテンポがいいですね。 60年前後のベーム/ベルリン・フィルの録音はどれも好きです。(ブラ1、英雄、シューベルト、モーツァルトの交響曲など)ベームの全盛期ではないでしょ うか?アバドは新しいベーレンライター版を用いたものでベートーヴェンが指示した速いテンポに忠実な演奏です。爽やかで圧倒的な名演だと思います。99年 録音のCDも良いですが、2001年のローマでのライヴDVDはさらにいいですね。

第28回(2月28日締め切り)、

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番ト長調K.219「トルコ風」

1位 グリュミオー(Vn)デイヴィス/ロンドン響(61)

13点

2位 クレーメル(Vn)アルノンクール/ウィーン・フィル(87)

10点

3位 シェリング(Vn)ギブソン/ニュー・フィルハーモニア管(66) 3点  
3位 ムター(Vn)カラヤン/ベルリン・フィル(78) 3点  
3位 シュナイダーハン(Vn)パウムガルトナー/ルツェルン祝祭管(76L) 3点  
3位 デュメイ(Vn)/カメラータ・ザルツブルク(96)

3点

7位 スーク(Vn)、プラハ室内管(72) 1点  
                         
  定番とも結うべきグリュミオーとクレーメルが他を圧倒しました。この2つは本当に名演奏ですね。音につやがあり軽妙洒脱とで言う演奏で、聴いていて楽しく なる演奏です。2位のクレーメルはアルノンクールの指揮とあいまって、新しいモーツアルト像を聴かせてくれます。この2つは時に応じて聴きたいものです。 店主はこの2つに加えて3位に入ったシェリングの誠実な演奏も大好きです。昨年ムターが弾き振りをした全集が発売になりましたが、CDはロンドン・フィ ル、DVDはカメラータ・ザルツブルクとのもので。評判がいいようですが、店主の好みではDVDのほうが好きですがもうひとつコクが足りないように思いま す。

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調Op.47

1位 バーンスタイン/ニューヨーク・フィル(59) 8点  
2位 バーンスタイン/ニューヨーク・フィル(79L)

7点

3位 ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル(73L) 4点  
4位 オーマンディ/フィラデルフィア管(67) 3点  
4位 インバル/フランクフルト放響(88) 3点  
6位 ケルテス/スイス・ロマンド管(61) 2点  
6位 ショルティ/ウィーン・フィル(93L) 2点  
6位 ハイティンク/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(81)

2点

6位 ヤンソンス/ウィーン・フィル(97L) 2点  
6位 ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル(54M)

2点

6位

フェドセーエフ/モスクワ放響(95L)

2点

 

12

プレヴィン/ベルリン・フィル(89L)

2点

 

13

プレヴィン/ロンドン響(65)

1

 

13

アンチェル/チェコ・フィル(61)

1

 

 バーンスタインの旧・新録音が1・2位を占めました。旧盤は1959年の10月 に珍しくボストンのシンフォニーホールで録音されたものです。演奏旅行中だったのでしょうか?バーンスタイン41歳、このころ、ソヴィエトへの演奏旅行 で、ショスタコーヴィチにこの曲の演奏を絶賛されていることもあって、明快で自信にあふれる名演奏ですね。終楽章の快速テンポは評価が分かれるところで しょうが・・・3位にムラヴィンスキーがやはり入っています。店主のイチオシはやはりバーンスタインの旧盤です。

第27回(1月31日締め切りの結果)

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第15番ハ長調K.545(投票5名)
 1位 フリードリッヒ・グルダ(P)(65)                                        5点

 1位 イングリッド・ヘブラー(P)(65)                                         5点
 3位 ワルター・クリーン(P)(64)                                                3点
 3位 マリア・ジョアオ・ピリス(P)(74)                                             3点
 3位 マリア・ジョアオ・ピリス(P)(89)                                             3点
 6位 ワルター・ギーゼキング(P)(53M)                                            2点
 6位 リリー・クラウス(P)(68)                                                 2点
 6位 フリードリッヒ・グルダ(P)(80)                                               2点
 6位 内田光子(P)(83)                                                     2点
 10位 グレン・グールド(P)(67)                                                 1点
 10位 ダニエル・バレンボイム(P)(85)                                             1点
 10位 アリシア・デ・ラローチャ(P)(90)                                             1点
  
1965年に録音された、グルダとヘブラーが1位 に選ばれました。グルダの装飾音いっぱいのしゃれた演奏と、まじめなヘブラーという対照的な演奏です。この二人にクリーン、ピリス、ギーゼキング、クラウ スというモーツァルト弾きとして有名なピアニストで占められています。しかし、モーツァルト弾きといってもそれぞれ個性適なピアニストばかりです。グルダ とギーゼキング、ピリスとクラウスでは、まったく違う演奏が聴けます。でもどれもが良いですね。店主のイチオシはグルダです。こんな面白い演奏はめったに 聴けるものではありません。

シューベルト:交響曲第8(9)番ハ長調D.944「ザ・グレイト」(投票5名)
 1位 ケンペ/ミュンヘン・フィル(68)                                         6点
 2位 フルトヴェングラー/ベルリン・フィル(43LM)                                      3点
 2位 クリップス/ロンドン響(58)                                                  3点
 2位 カラヤン/ベルリン・フィル(78)                                               3点
 2位 ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(82L)                                        3点
 2位 ヴァント/ベルリン・フィル(95L)                                              3点
 7位 ワルター/コロンビア響パ(59)                                             2点
 7位 ベーム/ベルリン・フィル(63)                                              
2点
 7位 ベーム/ドレスデン国立管(79L)                                             2点
 7位 デイヴィス/バイエルン放響(83L)                                            2点
 7位 チェリビダッケ/ミュンヘン・フィル(94L)                                        2点
 13位 ケルテス/ウィーン・フィル(63)                                              1点
 13位 バルビローリ/ハレ管(68)                                                 1点
 13位 セル/クリーヴランド管(70)                                                1点
 13位 アルノンクール/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(92L)                                1点
  
1 月投票者が5名を少なかったこともあって、票が割れ1位の得点が少なくなりました。1位のケンペはちょっと以外かもしれませんが、ライブではなくセッショ ンでの録音でこれだけノリの良い演奏はないでしょう。店主のイチオシでもあります。2位にクリップスが入っているのがちょっとめずらしいです。他は、フル ヴェン、カラヤン、ブリュッヘン、ヴァント、ベーム、ワルターとこの曲の定番とも言うべき演奏が選ばれています。店主が最初に聴いたこの曲の演奏はワル ターの優しい演奏ですし、フルヴェン、ヴァント、ベームのそれぞれ立派な演奏も好きです。また、セルの最後の録音も良いです。この曲は名盤が多いですね。

第26回(12月31日締め切りの結果)

バッハ:管弦楽組曲第2番ロ短調BWV.1067(投票7名)
 1位 リヒター/ミュンヘン・バッハ管、ニコレ(Fl)(60)                              17点
 2位 アルノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、シュタストニー(Fl)(83)                   5点
 3位 リンデ(Fl)/リンデ・コンソート                                               3点
 3位 カラヤン/ベルリン・フィル、ツェラー(Fl)(64)                                     3点
 5位 ホグウッド/エンシェント室内管、ペイ(Fl)(85)                                     2点
 5位 ラ・プティット・バンド、クイケン(Fl)(81)                                          2点
 5位 パイヤール/パイヤール「室内管、アンドレ(Tp)                                   2点
 8位 ピノック/イングリッシュ・コンサート、プレストン(Fl)(78)                                1点
 8位 ガーディナー/イギリス・バロック管(78)                                         1点
 8位 ニコレ(Fl)カメラータ・ベルン(85)                                              1点
 8位 ストラツァガンバ・ケル有田Fl)(94)                                            1点
  
リ ヒターの演奏がダントツで支持を得ました。現在はほとんど古楽器で自由に演奏されことが多いバッハですが、リヒターの現代楽器での厳格な演奏は時代を乗り 越えて聴かれる「不滅の名盤」というものでしょうか。古楽器の代表はアルノンクールということになります。私にはちょっとリズムが重いかな?という気がし ますが・・・変わったところでは、フル^ト・ソロをモーリス・アンドレがトランペットで吹いた録音も選ばれています。

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61(投票8名)
 1位 ハイフェッツ(Vn)トスカニーニNBC響(40SP)                                8点
 2位 クレーメル(Vn)アルノンクール/ヨーロッパ室内管(92L)                              7点
 3位 オイストラフ(Vn)クリュイタンス/フランス国立管(58)                                 5点
 4位 シェリング(Vn)イッセルシュテット/ロンドン響(65)                                  4点
 5位 クライスラー(Vn)ブレッヒ/ベルリン国立歌劇場管(26SP)                             3点
 5位 キョン・ファ(Vn)テンシュテット/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(89L)                        3点
 5位 ハーン(Vn)P・ヤルヴィ/ドイツ・カンマーフィル(06L)                                3点
 8位 ハイフェッツ(Vn)ミュンシュ/ボストン響(55)                                      2点
 8位 フランチェスカッティ(Vn)ワルター/コロンビア響(61)                                 2点
 8位 シゲティ(Vn)ドラティ/ロンドン響(61)                                           2点
 8位 シェリング(Vn)ハイティンク/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(73)                           2点
 8位 クレーメル(Vn)秋山/NHK響                                              2点
  
や こちらは票が割れて、ハイフェッツの旧録音が1位になりました。1940年のSP録音で、ハイフェッツよりもトスカニーニー色の強い演奏ですが、本当に立 派な演奏です。今回の「水曜コンサート」では2001年にリマスターされたCD(BVCC37108)を聴きましたが、デジタル技術の発達で、ほとんどノ イズのない聴きやすい音になっていました。2位はクレーメルの新しいほうの録音が入りました。この演奏のカデンツァは変わっていて、ベートーヴェンがピア ノ協奏曲に編曲したときに書いたカデンツァを使っていて、ティンパニとピアノがはいるというものです。3・4位はこの曲のスタンダードな演奏ともいうべき オイストラフとシェリングです。5位のクライスラーは、店主の投票でしてボルタメントがあるものの気品があって、決して古くない演奏だと思います。クラス ラーの作ったカデンツァはほとんどのヴァイオリニストが使っていますね。なお、5位のハーンとヤルヴィの演奏は昨年、函館で行われたコンサートの演奏で、 録音は残っていませんが名演でした。

第25回(11月30日締め切りの結果)

ロドリーゴ:アランフェス協奏曲(投票6名)
 1位 イエペス(G)アルヘンタ/スペイン国立管(58)                                8点
 2位 ウィリアムス(G)フレモー/フィルハーモニア管(83)                                  6点
 3位 ブリーム(G)ガーディナー/モンテヴェルディ管(74)                                  5点
 4位 サントス(G)ドゥアット/パリ・コレギウム・ムジクム                                  3点
 4位 フェルナンデス(G)マルチネス/イギリス室内管(85)                                 3点
 4位 P.ロメロ(G)マリナー/アカデミー室内管(78)                                      3点
 4位 ウィリアムス(G)オーマンディ/フィラデルフィア管(65)                                3点
 8位 バルエコ(G)ドミンゴ/フィルハーモニア管(95)                                     2点
 9位 A.ロメロ(G)プレヴィン/ロンドン響(77)                                         1点
  
や はりというか、イエペス最初の録音が1位となりました。この曲の定番というべき名演奏ですね。イエペスはこの後2回録音していますが雰囲気が1番よく出て います。2位のジョン・ウィリアムスも名盤ですね。完璧な演奏と言える録音だと思います。店主はイエペス、ウィリアムスともに好きですがどちらかというと 癖のないウィリアムスのほうがスキです。

ブラームス:交響曲第4番ホ短調Op.98(投票6名)
 1位 カルロス・クライバー/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(80)                     10点 
 2位 ブルーノ・ワルター/コロンビア交響楽団(59)                                      8点
 3位 ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(63)                      4点
 4位 小澤征爾/サイトウ・キネン・オーケストラ(89)                                      3点
 4位 カール・ベーム/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(75)                              3点
 4位 セルジュ・チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(86L)                       3点
 7位 ウィルヘルム・フルトヴェングラー/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(48LM)                 2点
 7位 ギュンター・ヴァント/北ドイツ放送交響楽団(97L)                                   2点
 7位 クルト・ザンデルリンク/ベルリン交響楽団(90)                                    2点
 
こ クライバーとワルターが1・2位を分けました。勢いがあって聴くものを引きずり込んでしまうクライバー。優しい慈愛にあふれたワルター2大名盤です。クラ イバーはバイエルン国立管弦楽団とのライブDVDもありますが、こちらのほうがまとまりがあると思います。ワルターは今聴くとオケの音に厚みがないのが気 になりますが、聴いているうちにそれを忘れてしまいます。晩年のワルターの真骨頂といえる名演奏だと思います。店主のイチオシは、チェリビダッケのライブ です。これは「♪カフェ・ウォルフガングの秘蔵盤」に載せてある86年の東京文化会館での演奏です。50分近くかかる遅い演奏ですが、緊張感の持続が凄く て唸ってしまいます。EMIのCDよりも凄いです。お聴きでない方はぜひ一度聴きに来ていただきたいと思っています。

第24回(10月31日締め切りの結果)

モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調K.622(投票6名)
 1位 レオポルド・ウラッハ(Cl)、アルトゥール・ロジンスキー/ウィーン国立歌劇場管弦楽団(54M)    7点
 2位 アルフレート・プリンツ(Cl)、カール・ベーム/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(72)            6点
 3位 ジャック・ランスロ(Cl)、ジャン=フランソワ・パイヤール/パイヤール室内管弦楽団(63)           4点
 4位 カール・ライスター(Cl)、ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(71)      3点
 4位 デヴィッド・シフリン(Cl)、ジェラード・シュワルツ/モストリー・モーツアルト管弦楽団(84)           3点
 4位 ポール・メイエ(Cl)、デヴィッド・ジンマン/イギリス室内管弦楽団(92)                      3点
 4位 ザビーネ・マイヤー(Cl)、クラウディオ・アバド/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(98L)         3点
 8位 エリック・ホープリッチ(Cl)、フランス・ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(85L)                 2点
 8位 エルンスト・オッテンザマー(Cl)、コリン・デイヴィス/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(92)        2点
 10位 オスカー・ミヒャエリク(Cl)、ジークフリート・クルツ/ドレスデン・シュターツカペレ(36M)           1点
 10位 jジョズアール・ド・ペイエ(Cl)、ペーター・マーク/ロンドン交響楽団(59)                      1点
 10位 ウォルフガング・マイヤー(Cl)、ニコラウス・アルノンクール/ウィン・コンツェントゥス・ムジクス       1点
 
往 年の名盤、ウラッハが1位に選ばれました。録音は古いモノーラルでもクリアな音ですし、ウィーンのモーツァルトらしい素晴らしい演奏です。1点差の2位に はウラッハの弟子であるプリンツが選ばれました。ベームのゆったりしたテンポにのって、15歳でウィーン・フィルに入団したというプリンツの名演奏が聴か れます。3位はフランスのランスロです。この演奏はLP時代からカップリングのフルートとハープのための協奏曲(ランパル、ラスキーヌ)と両曲の名盤とい われている演奏です。4位にはライスター、メイエ、という名手の演奏がはいてますがこれらの中で店主がお勧めしたいのはシフリンの演奏です。アメリカ人の 演奏ですが、やわらかく潤いのある演奏と録音で、心地よく聴くことができます。

ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調Op.88
 1位 ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団(70)                               10点
 2位 ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(85)                     9点
 3位 ラファエル・クーベリック/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(66)                       6点
 4位 ヘルベルト・フォン・カラヤン/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(61)                     3点
 5位 ジョン・バルビローリ/ハレ管弦楽団                                          2点
 5位 イシュトヴァン・ケルテス/ロンドン交響楽団(63)                                  2点
 7位 ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団(58)                                     1点
 7位 ブルーノ・ワルター/コロンビア交響楽団(61)                                    1点
 7位 カルロ・マリア・ジュリーニ/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(90)                       1点
 
こ れも以前から決定盤として評価の高いセルの最後の録音が選ばれました。1970年4月の録音、このときシューベルトのグレイトも録音していてこれも名盤で す。この後5月に初来日、カラヤン/ベルリン・フィルより凄いアンサンブルと大きな話題となりましたが、帰国後7月にセルは癌で亡くなりました。この演奏 も完璧なアンサンブルで、これ以上の演奏はないと思わせるほどですね。2位のカラヤンはウィーン・フィルの特筆を生かした美しい演奏です。3位のクーベリ クはライブではないかと思えるくらいロジャー・ノリントンのいい演奏で、気分が高揚します。4位以下には、カラヤンの旧盤、バルビローリ、ケルテス、セル の旧盤が入ってます。ワルターとジュリーニはそれぞれ晩年の至芸が聴かれます。

第23回(9月30日締め切りの結果)

モーツァルト:交響曲第38番二長調K.504「プラハ」(投票5名)
 1位 ブルーノ・ワルター/コロンビア交響楽団(59)                        6点
 2位 ラファエル・クーベリック/バイエルン放送交響楽団(80)                       5点
 3位 カール・ベーム/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(79)                    3点
 3位 カール・ベーム/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(59)                     3点
 3位 ニコラウス・アルノンクール/ヨーロッパ室内管弦楽団(93)                    3点
 6位 ブルーノ・ワルター/ニューヨーク・フィルハーモニック(54M)                   2点
 6位 オットー・クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団(62)                     2点
 6位 コリン・デイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレ(88)                        2点
 9位 ブルーノ・ワルター/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(36M)                 1点
 9位 ニコラウス・アルノンクール/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(81)             1点
 
フ ルター/コロンビア響の往年の名盤が1位になりました。店主もそうなのですが、この演奏でモーツァルトを知ったという方が40台以上の人には多いのではな いでしょうか?今回改めて聴いてみるとオケは少人数なのにそれほどアンサンブルは良くなく欠点も多いのですがワルターの誠実な指揮で聴かせますね。1点差 のクーベリックはバイエルン放響の弦がとてもきれいで美しい。ベームはウィーン・フィルとベルリン・フィルに得票が割れてしまいました。これはどちらも店 主の好きな演奏です。アルノンクールの古楽器風の演奏はは初めて聴いたときはびっくりですね。とにかく面白く聴けます。それから6位のデイヴィスのしなや かな演奏も店主は好きです。

ビゼー:組曲「アルルの女」(投票4名)の2曲です。ご来店・ご投票をお待ちしています
 1位 アンドレ・クリュイタンス/パリ音楽院管弦楽団(64)                       9点
 2位 ヘルベルトケーゲル/ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団(86)                     3点
 3位 ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(70)                2点
 3位 ハインツ・レーグナー/ベルリン放送交響楽団(74)                             2点
 3位 クラウディオ・アバド/ロンドン交響楽団(80)                                  2点
 3位 シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団(86)                              2点
 7位 エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団(58)                           1点
 7位 ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団                                     1点
 
今 回は投票者が4名と少なかったのですがクリュイタンスが3人の1位支持を得てトップになりました。これは本当に名盤中に名盤ですね。これを超える演奏は出 ないのではないかとも思えます。2位には以外にも死後人気が出てきたケーゲルの演奏が入りました。いかにもドイツ的な演奏ですが面白いですね。 後はカラ ヤン、アバド、デュトワという定番、それに往年の名盤アンセルメも入りました。こうしてみると、名曲の割りにいい演奏が少ないようですね。

第22回

ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー(投票7名)
 1位 バーンスタイン(P)/コロンビア響(59)                               12点
 2位 ガーシュウィン(PR)MT・トーマス/コロンビア・ジャズバンド(76)                      9点
 3位 プレヴィン(P)/ピッツバーグ響(84)                                       8点
 4位 アイヴァン・デイヴィス(P)マゼール/クリーヴランド管(74)                          3点
 5位 プレヴィン(P)/ロンドン響(71)                                          2点
 5位 バーンスタイン(P)/ロスアンゼルス・フィル(82L)                               2点
 5位 オルティーズ(P)L.スラトキン/セントルイス響                                2点
 8位 ワイルド(P)フィードラー/ボストン・ポップス管(59)                               1点
 8位 ペナリオ(P)F.スラトキン/ハリウッドポール響()                               1点
 8位 レヴァイン(P)/シカゴ響(90)                                           1点
 
バー ンスタイン、トーマス、プレヴィンが3位までを占めました。バーンスタインは旧録音です。1959年というとバーンスタインはニューヨーク・フィルの常任 になり、ブロードウェイの「ウェストサイド物語もヒットして映画化が決まり、テレビの「ヤング・ピープルズ・コンサート」もヒットして絶好調のときです。 たいとるの「ブルー」の雰囲気を見事に出した演奏ですね。2位のトーマスはガーシュウィンのピアノロールにオリジナルのジャズバンドでバックをつけた演奏 です。最初このレコードが出ると聴いたときにはそんなにうまくできないだろうと思いましたが聴いてびっくり、ガーシュウィンの早いテンポに見事にバックを つけています。ガーシュウィンが意図したテンポがわかる上に非常にスリリングな演奏で、後にトマスがピアノを弾いた録音も出ましたが完成度は別としてこん な面白い演奏は特別ですね。ジャズ出身のプレヴィンは手堅いといったところでしょうか?懐かしいスラトキンヤフィードラも投票されています

ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調Op.55「英雄」(投票7名)  
 1位 ウィルヘルム・フルトヴェングラー/ウィーン・フィル(44M)                  8点
 2位 バーンスタイン/ウィーン・フィル(78L)                                 5点
 3位 ヴァント/北ドイツ放響(89L)                                     3点
 3位 トスカニーニ/NBC響(29M)                                      3点
 3位 ベーム/ベルリン・フィル(61)                                     3点
 3位 ギーレン/南西ドイツ放送響(00L)                                  3点
 7位 ホグウッド/エンシェント室内管()                                  2点
 7位 クレンペラー/フィルハーモニア管(59)                                2点
 7位 モントウ/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(62)                             2点
 7位 セル/クリーヴランド管(57)                                      2点
 7位 ワルター/コロンビア響(58)                                       2点
 13位 ジンマン/チューリヒ・トーンハレ管(98)                               1点
 13位 アバド/ウィーン・フィル(85L)                                     1点
 13位 アルノンクール/ヨーロッパ室内管(90L)                              1点
 13位 ケーゲル/ドレスデン・フィル(83)                                   1点
 13位 チェリビダッケ/ミュンヘン・フィル(87L)                               1点
 
フ ルトヴェングラーの44年盤が1位、バーンスタイン/ウィーン・フィルが2位であとはばらけてしまいました。フルトヴェングラーは例のウラニア盤ですが、 第2次大戦末期のこの演奏は本当に迫ってくるものがありますね。これを聴くと一般に評価の高い52年のEMI盤は気の抜けたビールのよううです。バーンス タインは立派な演奏というかこれといった特徴はないのですが、聴き応えのある演奏です。店主の好きなのはベーム/ベルリン・フィルとセル/クリーヴランド です。ベームの60年前後のベルリン・フィルとの録音はどれもすばらしくて好きです。セルは余計なものが一切ない透明度の高い演奏だと思います。

これまでの結果(第18回〜第22回)

第21回

モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488(投票7名)
 1位 クララ・ハスキル(P)パウル・ザッヒャー/ウィーン響(54M)                    6点
 1位 フリーッドリッヒ・グルダ(P)ニコラウス・アルノンクール/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(83) 6点
 3位 マウリツィオ・ポリーニ(P)カール・ベーム/ウィーン・フィル(76)                        4点
 3位 リリー・クラウス(P)スティーヴン・サイモン/ウィーン祝祭管(65)                      4点
 5位 内田光子(P)ジェフリー・テイト/イギリス室内管(86)                             3点
 5位 フリードリッヒ・グルダ(P)ハンス・ロスバウト/南西ドイツ放響(62)                      3点
 7位 フリードリッヒ・グルダ(P)/北ドイツ放響(93L)                                 2点
 7位 リチャード・グード(P)オルフェウス室内管(81)                                 2点
 7位 ワルター・クリーン(P)ペーター・マーク/ウィーン・フォルクスオパー管                   2点
 7位 ロベール・カザドシュ(P)ジョージ・セル/クリーヴランド管()                         2点
 7位 ダニエル・バレンボイム(P)/ベルリン・フィル(89)                              2点
 12位クリフォード・カーゾン(P)イシュトバン・ケルテス/ロンドン響(68)                      1点
 12位エリック・ハイドシェック(P)アンドレ・ヴァンデルノート/パリ音楽院管(62)                1点
 12位マウリツィオ・ポリーニ(P)カール・ベーム/ウィーン・フィル(77L)                      1点
 
ハ スキルとグルダが6点ずつと1位を分けました。グルダは5位・7位にもランクされています。ハスキルの録音はモノーラルで音もあまり良いものではなく、指 揮も今ひとつですが、ハスキルの演奏はすばらしいですね。店主の1位もこれで、第2楽章が絶品です。これを聴いてしまうとほかの演奏は聴けなくなります。 グルダは店主の好きなピアニストですが、ここでのアルノンクールの指揮がちょっとね、と思います。ほかにクラウス、内田、クリーンなどモーツァルト弾きと して名を上げているピアニストも選ばれています。ポリーニとカール・ベームはCD録音より、77年のザルツブルクのライブのほうがいいと思います。あと、 カザドシュとセルの簡潔な演奏、カーゾンの丁寧な演奏も店主のお気に入りです。

チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調Op.64(投票7名)
 1位 エフゲニ・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー管(60)             13点
 2位 レオポルド・ストコフスキー/ニュー・フィルハーモニア管(66)                          4点
 2位 ヘルベルト・フォン・カラヤン/ウィーン・フィルハーモニー管(84)                       4点
 4位 クラウディオ・アバド/シカゴ響(85)                                        3点
 4位 オットー・クレンペラー/フィルハーモニア管(63)                                 3点
 4位 ピエール・モントウ/ロンドン響(63)                                        3点
 4位 ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管(75)                      3点
 8位 ジョージ・セル/クリーヴランド管(59)                                      2点
 8位 アンタル・ドラティ/ロンドン響(61)                                        2点
 8位 ズデニエク・マーツァル/チェコ・フィルハーモニー管(05)                          2点
 11位クラウディオ・アバド/ベルリン・フィルハーモニー管(94L)                          1点
 11位シャルル・デュトワ/モントリオール響(88)                                   1点
 11位ワレリー・ゲルギエフ/ウィーン・フィルハーモニー管(98L)                          1点
 
ム ラヴィンスキーがダントツの1位です。この録音はヨーロッパ演奏旅行に、ウィーンのムジークフェラインザールでおこなわれたものですが、(このときに「悲 愴」も録音、4番はロンドンで録音)「チャイコフスキーの演奏はこうやるんだ!」と教えられているような演奏ですね。今回改めて聴いて得に終楽章の迫力に は圧倒されてしまいます。2位のストコフスキーはこのチャイ5は得意の曲です。オールド・ファンには映画「オーケストラの少女」を思い出すでしょう。オー ケストレーションに手を加えて面白く聴かせますね。同じ2位のカラヤン/ウィーン・フィルは晩年の演奏になりますが、これも聴き応えのある立派な演奏に なってます。店主の1位もムラヴィンスキーですが、あとアバド/ベルリン・フィル、それにセル/クリーヴランド管の室内楽のような精緻な演奏も好きです。

第20回

バッハ:イタリア協奏曲ヘ長調BWV.971(投票5名)
 1位 グスタフ・レオンハルト(Cem)(76)                     7点
 1位 グレン・グールド(P)(59)                           7点
 3位 フリーッドリッヒ・グルダ(P)(65)                           3点
 3位 トレヴァー・ピノック(Cem)(83)                           3点
 3位 ヘルムート・ヴァルヒャ(Cem)(60)                          3点
 6位 カール・リヒター(Cem)()                               2点
 6位 アルフレート・ブレンデル(P)(76)                          2点
 8位 トン・コープマン(Cem)(86)                             1点
 8位 マルタ・アルゲリッチ(P)()                              1点
 
新 チェンバロのレオンハルトとピアノのグレン・グールドが7点ずつと1位を分けました。それぞれ、この曲の代表的な名演といえましょう。また、ピノック、 ヴァルヒャ、リヒターといわゆるバッハ弾きも投票されています。店主の個人的には、グルダのチェンバロを意識した演奏が好きなのですが・・・比較的最近の シフ、ペライアに投票がなかったのは今後の再録音に期待ということでしょうか?

ホルスト:組曲「惑星」Op.32(投票6名)
 1位 ボールト/ロンドン・フィルほか(78)                    6点
 1位 カラヤン/ウィーン・フィルほか(61)                     6点
 1位 メータ/ロスアンゼルス・フィルほか(71)                  6点
 4位 デュトワ/モントリオール響ほか(86)                        3点
 5位 ラトル/フィルハーモニア管ほか(80)                      2点
 5位 デイヴィス/ベルリン・フィルほか(88)                       2点
 5位 レヴァイン/シカゴ響ほか(89)                           2点
 9位 ストコフスキー/ロスアンゼルス・フィル(58                   1点
 9位 マゼール/フランス国立管(81)                          1点
 9位 ロッホラン/ハレ管( )                                1点
 
こ ちらも投票が割れて1位が3つになりました。まず、カラヤン/ウィーン・フィルの61年の録音はそれまで知られていなかったこの曲を一躍人気曲にした演奏 ですね。確かジョン・カルショーのプロデュースだったと思います。メータの録音はカラヤンと同じイギリス・デッカの録音で当時新進気鋭のメータの録音でし た。ボールトはこの曲の初演者です。1919年ですが。ボールと5回目の録音で、初演から59年、ボールト89歳のときの録音です。しっかりとした演奏で 年寄り音楽になっていないのはさすがというべきでしょうか。店主もこの演奏を聴いてこの曲がイギリス人の曲なんだということを理解することができました。 5位のデイヴィスもその傾向ですね。カラヤンやメータのスペクタクルな演奏の最たるものがレヴァインの派手な演奏といえましょうか。それぞれ面白いと思い ます。

第19回

ショパン:バラード第1〜4番(投票6名)
 1位 マウリツィオ・ポリーニ(P)(99)                       10点
 2位 アルテュール・ルービンシュタイン(P)(59)                    9点
 3位 サムソン・フランソワ(P)(54M)                          6点
 4位 アルトゥーロ=ベネディッティ・ミケランジェリ(P)(71)(第1番のみ)       3点
 5位 エフゲニ・キーシン(P)(98)                             2点
 5位 フリードリッヒ・グルダ(P)(54M)                          2点
 5位 ウラディーミル・ホロヴィッツ(P)(68L)                      2点
 8位 シプリアン・カツァリス(P)(84)                           1点
 8位 マレイ・ペライア(94)                                1点
新しいポリーニと旧いルービンシュタインが1点差で選ばれました。精緻な ポリーニとおおらかなルービンシュタイン。まったく対照的な演奏ですね。ショパンの演奏というとほとんどこの二人に争いになってしまいますね。3位にはこ の二人ともまた違って個性的なフランソワが。また、往年のショパン弾きアシュケナージと旧いコルトーも選ばれていません。

マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」(投票7名)
 1位 ブルーノ・ワルター/コロンビア響(61)                  14点
 2位 シャイー/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(95)                  5点
 2位 バーンスタイン/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(87L)            5点
 4位 オーマンディ/フィラデルフィア管(「花の章付)(69)              3点
 4位 テンシュテット/シカゴ響(98L)                          3点
 4位 ギーレン/南西ドイツ放送響(02)                        3点
 7位 ハイティンク/ベルリン・フィル(87L)                      2点
 7位 アバド/ベルリン・フィル(89L)                           2点
 7位 クーベリック/バイエルン放響(67)                        2点
 10位 ショルティ/ロンドン響(64)                            1点
 10位 バーンスタイン/ニューヨーク・フィル(66)                    1点
 10位 アバド/シカゴ響(91)                                1点
ワルターが断トツにトップです。マーラー直系のワルターの録音はどうして も外せないというところでしょうか。オケは弱体でも、やさしくわかりやすい演奏だと思います。この当時録音予定だったバーンスタインがこの録音を聴いて恐 れをなして66年まで録音しなかったという話もあるくらいです。2位にそのバーンスタインの新しいほうの録音とシャイーが選ばれています。シャイーの演奏 は丁寧ですね。マーラー指揮者として名を上げているバーンスタインとアバドは新旧2つの演奏がともに選ばれていて散ってしまったようです。

第18回

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77(投票7名)
 1位 オイストラフ(Vn)クレンペラー/フィルハーモニア管(60)       8点
 2位 ハイフェッツ(Vn)ライナー/シカゴ響(55)                    5点
 2位 オイストラフ(Vn)セル/クリーヴランド管(69)                 5点
 2位 シェリング(Vn)ハイティンク/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(73)      5点
 5位 ミルシテイン(Vn)ヨッフム/ウィーン・フィル(74)                3点
 5位 クレーメル(Vn)バーンスタイン/ウィーン・フィル(82L)           3点
 5位 クレーメル(Vn)アルノンクール/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(96L)   3点
 8位 ヌヴー(Vn)イッセルシュテット/北ドイツ放響(48ML)             2点
 8位 クレーメル(Vn)カラヤン/ベルリン・フィル(76)                2点
 8位 ムター(Vn)マズア/ニューヨーク・フィル(97L)                 2点
 11位 メニューイン(Vn)フルトヴェングラー/ルツェルン祝祭管(47ML)     1点
 11位 メニューイン(Vn)ケンペ/ベルリン・フィル(57)               1点
 11位 ヴェンゲーロフ(Vn)バレンボイム/シカゴ響(97L)              1点
      
オイストラフ、ハイフェッツという往年の名盤上位を占めました。オイストラフはクレンペラー、セルとの2種の演奏が選ばれています。また、クレーメルは3種の録音がともに
      選ばれていて散ってしまいました。店主の1位はオイストラフとセルのもので、クレンペラーとのものは名演奏ではあるがクレンペラー色が強すぎるので決定盤にはどうかと思
      います。

モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調K.593(投票6名)
 1位 アルノンクール/ヨーロッパ室内管(91L)                7点
 2位 アルノンクール/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(84)             5点
 3位 セル/クリーヴランド管(60)                          4点
 4位 ワルター/ニューヨーク・フィル(53M)                     3点
 4位 クレンペラー/フィルハーモニア管(62)                    3点
 4位 ベーム/ウィーン・フィル(79)                          3点
 4位 バーンスタイン/ウィーン・フィル(81L)                    3点
 8位 ワルター/コロンビア響(60)                           2点
 8位 ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル(65L)                2点
 8位 ジュリーニ/ベルリン・フィル(91)                        2点
 11位 ブール/南西ドイツ放響                             1点
 11位 ブリュッヘン/18世紀管(88L)                         1点
 
アルノンクールの演奏が1・2位を占めました。1位 にランクされたヨーロッパ室内管との演奏はモーツァルト没後200年の12月5日にウィーン、ムジークフェラインザールで行われたコンサートのライブで す。このときは39・40・41のいわゆる3大交響曲が演奏されたのですが、店主もこの演奏はいいと思います。(ビデオも出ていてアルノンクーるの、西川 きよしに負けない目玉が印象的です。)特に第3楽章メヌエットのテンポの変化は見事ですね。なお、店主の1位はセルの引き締まった演奏です。

第17回

ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11(投票7名)
 1位 アルゲリッチ(P)アバド/ロンドン響(68)                 11点
 2位 ツィンマーマン(P)/ポーランド祝祭管(99)                    10点
 3位 フランソワ(P)フレモー/モンテカルロ国立歌劇場管(65)           5点
 4位 アルゲリッチ(P)ロヴィツキ/ワルシャワ国立フィル(65L)            4点
 5位 セイケイ(P)ネーメト/ブダペスト響(88)                      3点
 6位 ギレリス(P)オーマンディ/フィラデルフィア管(64)               2点
 6位 リパッティ(P)アッカーマン/チーリッヒ・トーンハレ管(50LM)         2点
 8位 アルゲリッチ(P)デュトワ/モントリオール響(98)                 1点
 8位 ルービンシュタイン(P)スクロヴァチェフスキー/ロンドン新響(61)      1点
 
ア ルゲリッチとツィンマーマンがほかを引き離して1点差で1・2位になりました。アルゲリッチは3種の録音がすべて入っています。アルゲリッチは速めのテン ポで「鮮やか!」に弾き切っています。アバドの指揮ともども爽快な演奏ですね。ツィンマーマンの演奏はアルゲリッチとは対象的にすごく遅いテンポです。こ のテンポで演奏するにはほかの指揮者ではだめで自分で指揮するしかなかったでしょう。目からうろこが落ちるという演奏です。店主もこの2つの演奏はお気に 入りです。3位のフランソワもこの2つとはまた違った演奏でこれもいいですね。4位のアルゲリッチはショパン・コンクールのライブで迫力があります。

メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調Op.90「イタリア」(投票7名)
 1位 トスカニーニ/NBC響(54M)                       9点
 2位 アバド/ベルリン・フィル(95L)                          8点
 3位 クレンペラー/フィルハーモニア管(60)                    7点
 4位 アルノンクール/ヨーロッパ室内管(91)                    4点
 5位 カラヤン/ベルリン・フィル(71)                         2点
 5位 カンテルリ/フィルハーモニア管(51M)                     2点
 5位 セル/クリーヴランド管(83L)                          2点
 5位 デイヴィス/バイエルン放響(83L)                       2点
 9位 バーンスタイン/ニューヨーク・フィル(58)                   1点
 8位 ジュリーニ/ベルリン・フィル(91)                        2点
 
ト スカニーニ、アバド、クレンペラーが1点差ずつで1〜3位となりました。トスカニーニは昔から定評のある演奏ですが、引退直前87歳のときの演奏です。り ぱな演奏ですが、トスカニーニの演奏はNBC響をする前の50・60歳代の演奏のほうが柔軟性があって店主は好きです。アバドはジルベスター・コンサート のライブです。ベルリン・フィル時代の評価はあまり高くありませんがアバドの演奏は、店主はこの演奏を含めて良心的なとてもいい演奏をしたと思ってます。 あまり話題にならなかったベートーヴェンの交響曲全集もベーレンライター版を使用していて、ラトル/ウィーン・フィルのものよりもずっといいと思います。 クレンペラーの演奏はトスカニーニ、アバドとは違う重厚な演奏です。これも名演奏ですが、店主はセルの簡潔で引き締まった演奏も好きです。

第1回〜第17回は追って掲載します。

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