♪カフェ・ウォルフガング店主の気まぐれ週誌

 

2019923日 最近のアナログレコード

先日、タワーレコードやHMVのサイトを見ていて思ったことですが、アナログ・レコードがカタログに掲載されることが多くなりました。その中で気になったことがあります。アンドレ・プレヴィン/ロンドン交響楽団のチャイコフスキー「白鳥の湖」全曲のアナログ・レコードが20173月にリリースされています。3枚組180g重量盤で、4000円弱というお手ごろな値段です。オリジナル音源は1976年の録音で、このレコードは2011年リマスター音源を使用とあります。ハイレゾ販売されている同じものを見るとやはり2011年リマスターで、flac44.1kHz/24bitの規格です。おそらくこのレコードも同じ44,1khz/24bitの音源からカッティングされたレコードと思われます。このレコードを聴くのだったらハイレゾ音源を聴くほうが明らかにオリジナルに近い音で聴けるはずです。また36面のレコードだと5回もレコードの盤面を変える手間も出ます。せっかくアナログレコードの良さを楽しむのだったらデジタル変換を経ないオリジナル盤でなければと思いますが・・

2019年7月15日 衰えは無用。ブロムシュテット/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管のベートーヴェン交響曲全集

ヘルベルト・ブロムシュテットの新しいベートーヴェン交響曲全集を聴きました。ブロムシュテットの演奏は昔、生真面目で丁寧、ごまかしがなくしかし面白みのないワクワクさせないことが多かったのですが、年輪を重ねて音楽がより自然に流れるようになり、聴きごたえのあるように変化してきたと思います。今回の演奏は2014-17年のライヴ、ブロムシュテット86-90歳の演奏。年寄りの演奏ではない。ベーレンライター版に順処し、テンポも早めのフレッシュな演奏となっています。どの曲もワクワク感がある。ヴァイオリン両翼配置の録音も潤いがあってって素晴らしい。この全集のハイレゾ版は,48kHz/24bitのスペックだが不足は感じない。これで2500円はお買い得。

 

2019年7月10日 やはり生気を失ったハイレゾA「カラヤンのオペラ間奏曲集」

ハイレゾでのカラヤンの「オペラ間奏曲集」(DG)を聴きました。これは19679月の録音されたもので、数多くあるカラヤンの録音の中でも特に優れた出来栄えといえるものです。私なカラヤンの演奏の熱心なリスナーではありませんがこれは素晴らしいと愛聴していました。このほどこれのハイレゾ盤を聴きました。この音源を聴いた友人からの指摘で気が付いたのですが、録音はきれいに整理されノイズは全くありません。しかし以前のアナログ盤や、CDと違うのです。これも前回述べたカザルスのバッハと同じく演奏がつまらないのです。最近のデジタル技術でオリジナルのアナログ・テープに存在するノイズを除去する際にテープ・ヒス以外に演奏時のノイズ、収録会場であるベルリン、イエス・キリスト教会に存在するノイズなどが除去されていて人間が演奏している雰囲気までがカットされて、非常に無機的な演奏になってしまったためと思われます。「過ぎたるは及ばざるがごとし」というのはこのことをいうのでしょうか?

 

2019年7月1日 生気を失ったハイレゾ「カザルスのバッハ」

ハイレゾでのカザルスのバッハ無伴奏チェロ組曲を聴きました。ノイズはきれいになくなったが、空気感もなくなり、演奏の雰囲気が全くなくがっかりしました。この録音は1936-9年にロンドンのアビロードスタジオで行われたもので、SP原版によるものです。私のところには1980年代にリマスターされたフランスEMIのCDがあり、ガッツのある硬質のがっちりとした演奏というイメージでした。ところがその後、2000年代になって日本のオーパス蔵がSP盤より復刻したCDを聴いてびっくりしました。カザルスのチェロが大変柔らかく柔軟に富んだもので、SP独特のノイズは多少も残っているもののカザルスの息遣いが聴こえるかのような見事な復刻でこの演奏の印象が変わってしまいました。今回この録音のハイレゾを聴く機会を得ました。ノイズはものの見事に取り払われています。しかしそれと同時にカザルスの息遣いといった雰囲気までもが無くなっており、非常に無機的なつまらない演奏になっていました。これはぜひやり直してほしいですね。

 

2019318日 「ラトルのマーラー「悲劇的」

昨年BSで放映されたラトルのベルリン・フィル首席指揮者退任コンサートのマーラー交響曲第6番「悲劇的」の映像を視聴しました。CDではラトルが最初にベルリン・フィルを指揮した時の同曲の演奏もあって、ラトルにとってこの曲は節目節目に勝負曲なのでしょうか?ベルリン・フィルとウィーン・フィルの合同演奏もこの曲でした。今回の演奏は、どうしてもクルレンティスの演奏と比べてしまうのですが、ベルリン・フィルはアンサンブルもはるかに上手いですし、演奏全体も上質の演奏となっている感じです。クルレンツィスの演奏はあちらこちらでアレ!と思わせる仕掛けがあってワクワクするような面白さがありましたが、ラトルの演奏はアンサンブルが上質なので、流れが自然で非常に心地よく聴けるものになっています。それぞれ聴きごたえのある名演奏でした。

 

2019121日 「インシュレーターにカリンの床材を」

先々週の「気まぐれ日誌」で、スピーカーの足を3点から4点に変更したことを書きましたが、その際にインシュレーターとして剣山とカリンの床材を使っていると触れました。今回はそのカリン材についてです。これがなかなの優れものです。これは、カリンの床材のあまりを裁断したものです。大きさは約3p四方で厚さは1p、これをスピーカーのインシュレーターとして使ったところ、非常にヌケの良い音となりました。外して元に戻すと音がスピーカーのコーンに張り付いたようにペタッとした音になり、効果は絶大でした。その後、CDプレーヤーやアンプにも使ってみましたがどれにも大きな効果があり、手放せなくなってしまいました。市販の?万円するインシュレーターよりいいのです。カリンが手に入る方はぜひ、お試しを。

 

2019114日 「クルレンツィスのマーラー「悲劇的」」

レコード・アカデミー賞大賞を受賞したテオドール・クルレンツィス」/ムジカエテルナのマーラー/交響曲第6番「悲劇的」を聴きました。実に刺激的な演奏と録音で楽しめました。タイトルの悲劇的な印象は全くと言っていいくらい感じられないが、聴いていてゾクゾクするような演奏です。わざとらしい箇所も散見されますがこんなに面白い演奏はちょっとないのでは。録音もかなりいじってあるようで、すべての楽器がよく聴こえる。ただしこの演奏と録音は刺激的な反面、聴き終わった後に疲れを感じることもあってそのうち鼻について聴く気が失せてしまうかもしれないかなあ・・。

 

20191月7日 「スピーカー、3点支持から4点支持へ」

 少し前のことですが、昨年9月の北海道地震で、食器はもちろん、被害はなかったのですが、メインのスピーカー(タンノイGRFメモリー)の左側のインシュレーター(脚)が外れていました。このスピーカーのインシュレーターは、3点支持になっているため、設置が結構大変で、いつもオーディオ好きの友人に協力してもらって二人がかりでやっています。今回もその友人に連絡をして設置をしたのですが、その友人の勧めによって4点支持に変更することにしました。その友人曰く「4点支持のほうが、低域の厚みが増して締まりもよくなる。やってみて気にいたなかったら、3点支持に戻すといい。」というのです。従来の3点支持では前2・後1で、ステンレス製の円柱状のものとそれの軸受け、その上に一番硬い木といわれる「カリンの床材」を切ったものをのせ、それのスピーカーを載せていました。今回、ステンレス製の円柱状のものが片側3個しかなかったので、それの使用を止め「カリンの床材」2個の間に「剣山」を入れるということになりました。  その結果は、友人の言う通り低域の厚みが増し引き締まった低音になりました。この締まり方は低域だけではなく中域から高域にかけても影響が出てきて一部女性ヴォーカルにも変化があるくらいでした。低域が大変よくなったことは良いのですが、高音がやや硬くなったのが気にかかります。特に弦が固くなったのでもう少し緩めたい気もします。が、しばらくはこのままで聴いています。

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